2004 Fiscal Year Annual Research Report
顎口腔機能障害患者に対する健康増進のためのオーラルリハビリテーション
Project/Area Number |
15791212
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
上田 宏 広島大学, 病院, 講師 (20304446)
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Keywords | 顎口腔機能 / オーラルリハビリテーション / 咀嚼筋 |
Research Abstract |
被験者群として広島大学病院矯正歯科にて外科的矯正治療の適応と診断された骨格性下顎前突症患者36名(男性12名、女性24名)を選択し、初診時、術直前、保定開始時、保定中の資料を用いた。対照群として正常咬合者30名(男性15名、女性15名)を選択した。全対象者について咬合力と咬合接触面積、最大咬みしめ時の咬筋・側頭筋筋活動量の測定、さらにそれらの左右均衡性の評価を行った.また、ガム咀嚼時の咀嚼の偏好性、運動軌跡の解析を行った。その結果、以下の所見が明らかとなった。 1.咬合接触面積、咬合力は、初診時から術直前へかけて減少したが術後には増加し、保定中では術直前と比べ有意に大きな値を示した。しかし、すべての段階で対照群より有意に小さな値を示した。 2.最大咬みしめ時の咬筋筋活動量は初診時から術直前へかけて減少し、保定中においても初診時より低い値を示した。 3.咬合接触面積の左右非対称性は初診時、術直前では対照群より有意に大きかったが術後には有意に減少し、対照群との有意差を認めなくなった。最大咬みしめ時、ガム咀嚼時の咬筋・側頭筋筋活動量の左右非対称性については、有意な経時的変化は認められなかった。また、対照群との有意差および男女間の有意差はいずれも認められなかった。 4.咀嚼の偏好性は初診時、術直前では対照群より大きかったが、術後には減少し対照群に近似していった。 5.ガム咀嚼における異常な運動軌跡の出現率は、術後には有意に減少したが、すべての段階で対照群より有意に高い値を示した。 これらのことから、外科的矯正治療による咬合ならびに顎顔面骨格の変化に伴い顎口腔機能は正常咬合者に近似するように改善するものの、咀嚼筋活動量は術直前に減少したまま手術後の顎顔面骨格に適応しており、この点についてオーラルリハビリテーションプログラム作成時に留意する必要性が示唆された。
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