2003 Fiscal Year Annual Research Report
破骨細胞の分化・活性化における細胞内シグナル伝達機構の解明
Project/Area Number |
15791219
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
金岡 和博 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (60346913)
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Keywords | 破骨細胞 / シグナル / 糖鎖 |
Research Abstract |
破骨細胞の生存・活性化におけるスフィンゴ糖脂質の関与についての解析を行い、さらに破骨細胞における細胞内シグナルの動態とスフィンゴ糖脂質の関与を解明することを目的とし、以下の実験を行った。 マウスの骨髄細胞に、RANKL、M-CSFを加え、破骨細胞様細胞(OCLs)を得た。得られたOCLsに、スフィンゴ糖脂質生合成阻害剤D-PDMPおよび、スフィンゴ糖脂質を加えて培養を行い、生存破骨細胞の数を数え、その影響を検討した。また、dentin slice上でpit assayを行い、骨吸収活性に対するスフィンゴ糖脂質の影響を検討した。さらに、細胞抽出液を回収しAc-DEVD-MCAの水解活性を用いて、カスパーゼ活性を測定し、ウェスタンブロッテング解析を行い、細胞外からの刺激に対してのErk、IkBのリン酸化の増減及び時間的変化について検討した。 D-PDMPを破骨細胞に作用させたとき、濃度・時間依存的にアポトーシスを誘導した。Pit assayにおいては骨吸収が抑制されていた。この時、カスパーゼ活性の上昇が観察された。ウェスタンブロッティング解析の結果、RANKL刺激によるIkB及びErkのリン酸化、M-CSF刺激による、ERKのリン酸化は抑制されていた。 以上のことより、破骨細胞の生存及び活性化にスフィンゴ糖脂質は必要不可欠な分子であると考えられた。D-PDMPにより誘導されるアポトーシスは、カスパーゼ依存性であり、細胞外からのRANKL及びM-CSFなどの生存のシグナルが細胞内に伝達されることが抑制された為だと考えられた。活性化の抑制も同様に細胞外からのシグナルの抑制によるものだと考えられた。
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