2003 Fiscal Year Annual Research Report
小児期における歯周病の発症と歯周病原性細菌との関連性について
Project/Area Number |
15791225
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
伊田 博 昭和大学, 歯学部, 助手 (10327934)
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Keywords | PCR / P.gingivalis / A.actinomycetemcomitans / 小児 / 歯周疾患 / ヒト |
Research Abstract |
今回,我々は,Porphyromonas gingivalis(P.g),Actinobacillus actinomycetemcomitans(A,a),Prevotella intermedia(P.i),およびBacteroides forsythus(B.f)の4菌種の小児口腔内からPCR法による検出を行い,これらの検出結果と臨床診査との関係について検討した.対象は本学小児歯科外来を受診し,全身的に健康な小児37名である.上顎右側中切歯(FDI 11)と上顎右側第一大臼歯(FDI 16)を被験歯とし,これらの近心唇側・頬側面から歯肉縁上プラークを採取後,DNA抽出したものを供試した.PCR反応により,菌種特異的なバンドを検出し,細菌の有無を判定した.また,臨床診査は口腔内診査,Probing Depth,およびBOPの有無について行った. 本研究の臨床診査結果から対象とした6歳から18歳の小児ではProbing Depthが4mmを超えるような歯周疾患に罹患しているものはいなかった.PCR法を用いた歯肉縁上プラークからの歯周病関連菌の検出結果では,P.g.で21.6%,A.a.,P.i.,B.fの3菌種では55〜58%の検出率であった.年齢別でみると,A.a,P.i,B.fの検出率は混合歯列期に高く,永久歯列完成期では低い傾向を示した.FDI 11およびFDI 16では,A.a,P.i,B.fの3菌種の組み合わせによる検出が多かった。また,BOPの有無と検出菌種との関係では,3菌種以上の検出率はBOP(-)に比べ,BOP(+)の方が高かった.未検出の割合は,BOP(+)で0%,BOP(-)で8%であった.
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