2003 Fiscal Year Annual Research Report
科学的根拠をもった、唇顎口蓋裂患者に対するMedical treatmentの構築
Project/Area Number |
15791226
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
田中 憲男 昭和大学, 歯学部, 助手 (60343498)
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Keywords | 片側性唇顎口蓋裂 / 三次元模型計測 / 言語評価 |
Research Abstract |
初回口唇閉鎖術より現在まで昭和大学病院形成外科で管理された片側性唇顎口蓋裂患者のうち、口蓋閉鎖の術式別での顎発育および言語の評価をおこなった。対象は、片側性唇顎口蓋裂患者48名(平均年齢4.3歳)とし、資料として口腔模型、側面頭部X線規格写真(以下セファロ)、言語成績表を用いた。すべての患者はHellmanの歯年齢IIAであり、裂側の乳側切歯を除く先天性欠如乳歯のあるものは除いた。これらを口蓋閉鎖術の術式別に3グループに分類した。すなわち、グループ1はPerko法変法、グループ2は粘膜骨膜弁法(Wardill法変法)、グループ3は歯槽弁法とした。模型計測では、オーバージェット(以下OJ)、オーバーバイト(以下OB)を計測し、前歯部、裂側臼歯部、非裂側臼歯部の反対咬合の有無の量的評価を行なった。セファロ分析では、主に上顎骨の大きさならびに上顎前歯の傾斜を評価した。言語評価は音声言語医学会口蓋裂言語委員会で作成した検査法に基づいておこなった。顎発育ならびに、模型分析は、統計解析ソフトウエア(SPSS10.1)を用いてKraskal Wallis検定をおこない、さらに各2群間での比較をMann-Whitney検定でおこなった。その結果、3群間の模型計測の比較では、模型分析の全ての項目で有意差があった。2群間の比較において、歯槽弁法はWardill法変法と比べて前歯部の反対咬合が多くみられ、Perko法変法は最も少なかった。さらに非裂側の反対咬合の有無の比較では、歯槽弁法はWardill変法と比較して差がないのに対し、Perko法変法は歯槽弁法に対して少なかった。言語評価の評価は正常なスピーチ(鼻咽腔閉鎖機能良好で構音障害なし)の割合は、Wardill法変法が最も良好で、全体の約60%に対して歯槽弁法が最も不良であり全体の約40%であった。
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