2003 Fiscal Year Annual Research Report
Er:YAGレーザー照射による歯質の微細構造変化に関する研究
Project/Area Number |
15791231
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
外山 敬久 愛知学院大学, 歯学部, 助手 (70329621)
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Keywords | Er : YAGレーザー / 微細構造変化 / 照射面下 |
Research Abstract |
レーザーによる齲蝕治療は,従来のタービンなどに変わる治療器具として研究されている.Er : YAGレーザーを用いて歯質を蒸散した場合,形成されたmicrocrackは表層と下層とでは形態が異なる.表層部の網目状構造は脆弱な形態のため,コンポジットレジンとの接着を阻害し,下層の糸状のmicrocrackはボンディング材が浸透することにより,接着力の増加が期待できる.そこでEr : YAGユーザーをより効果的に臨床応用していくために、本研究では蒸散歯質の微細構造を観察した. レーザー発振装置はEr : YAGレーザー(Erwin,モリタ社製),実験歯は新鮮抜去ヒト大臼歯(4℃冷蔵保存)を用いた.照射条件はコンタクトチップ先端出力50,150mJ/pulse,繰り返し速度10pps,供給水量25ml/minの注水下とした. コンタクトチップを実験歯のエナメル質頬側面に垂直になるように接触させ,レーザー照射を行った.照射面に低粘性のボンディング材を処理し,コンポジットレジンを填塞した.得られた試料を縦断し,エポキシ樹脂に包埋し,鏡面研磨したものをSEM用試料とした.照射面下の微細構造をSEMにて観察した. その結果,照射面下にmicrocrackの形成が確認された.その走行はエナメル小柱の配列方向に準じ,さらにそれらを横断するものが存在して,網目状として認められた.また一方では,エナメル小柱に沿った糸状のcrackが確認された.150mJ/pulseでは照射面下に網目状構造が顕著にみられ,さらに深層に糸状の構造が認められた.50mJ/pulseでは網目状の構造は顕著に認められず,照射面直下に糸状の構造が主に認められた. 照射面下の影響はエナメル小柱の走行方向に関与すると思われるが,照射方向により影響を及ぼす深度が変化することが考えられ,さらに詳細な検討が必要と思われる.
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