2003 Fiscal Year Annual Research Report
線維芽細胞におけるLPSシグナルとアデノシンのクロストークの可能性
Project/Area Number |
15791232
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
白數 慎也 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (20330144)
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Keywords | 線維芽細胞 / IGF-I / PDGF / アデノシン / ATP |
Research Abstract |
線維芽細胞増殖因子は線維芽細胞の増殖に必須の役割を担っていることは知られているが、他の成長因子の役割については不明なのが現状である。本研究ではヒト歯根膜由来線維芽細胞(HPLF)の増殖能に対する他の成長因子の役割を解明する目的で、IGF-IおよびPDGFの影響について検討した。さらに、出血成分中に多量に存在するadenosineおよびATPの増殖能に対する効果についても合わせて検討を行った。 実験方法としてHPLFにIGF、PDGF、adenosineあるいはATPを添加24及び72時間後について、細胞増殖能を検討した。また、IGF-IおよびPDGFにadenosineをよびATPを同時添加したものについても増殖能の検討を行った。 IGFを24および72時間反応させた時、濃度依存的に細胞増殖能の増加が認められた。同様に、PDGFについても濃度依存的に細胞増殖能に増加傾向が認められた。一方、HPLFにadenosineを添加した場合は5×10^<-4>M濃度において細胞増殖能の有意な減少が認められた。同様に、ATP(5×10^<-4>M)において増殖能の有意な減少が認められた。次に、IGF-I(100μM)にアデノシン(5×10^<-4>M)あるいはATP(5×10^<-4>M)を添加したところIGF-Iによる細胞増殖能が減少することが明らかとなった。一方、PDGF(100ng/ml)にadenosine(10^<-4>M)あるいはATP(10^<-4>M)を添加したところ著明な変化は認められなかった。以上の結果より、HPLFに対してIGF-IおよびPDGFは細胞増殖能を亢進させる可能性が示唆され、さらにadenosineおよびATPがHPLFの細胞増強に対して影響を与える可能性が示唆された。
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