2003 Fiscal Year Annual Research Report
幹細胞を用いた人工歯根膜の製作とその歯周組織再生療法への応用
Project/Area Number |
15791247
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
藤本 淳 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (00326696)
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Keywords | 歯周組織再生療法 / 細胞足場材料 / 間葉系幹細胞 / PRP / 人工歯根膜 / RT-PCR |
Research Abstract |
GTR法やエナメルタンパクを用いた歯周組織再生療法において、欠かせない重要な3要素は、そしてスキャフォールド(細胞足場材料)である。本研究テーマでは人工歯根膜の製作に結びつく前準備としてin vitroとin vivoの系でそれぞれ検討した。 まず,ビーグル成犬を骨髄穿刺し、間葉系の幹細胞を選択的に採取し、それを培養増加させる系(細胞)と、同ビーグル犬の血液からPRP(多血小板血漿)を抽出する系(発育を促進させる成長因子)の確立を試みた。また、培養して増加させた間葉系幹細胞を生体に戻すための担体としてのコラーゲンゲルやコラーゲンスポンジおよび吸収性膜との混合培養を(足場材料)検討した。さらにヒト歯根膜細胞へのヒトPRPの影響を、RT-PCR法にてTGF-β等のmRNA発現状況からも検索した。 その結果、間葉系幹細胞の絶対数を培養系によって、短期間で効率的に増加させることが特に重要であること、ビーグル成犬からも再生に有効と考えられているPRP抽出もヒトと同様に可能であること、コラーゲンゲル等を用いた間葉系幹細胞のハイブリッド体の作製も可能であること、ヒト歯根膜細胞からTGF-β等の骨形成に関連するmRNA発現が確認されること、PRPによる詳細な影響はデータ数を増やしたうえで検討する必要があること等が判明した。 今後は具体的な人工歯根膜の作製と、その骨欠損部への応用を試み、その歯周組織再生に及ぼす効果について検討する予定である。
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