2004 Fiscal Year Annual Research Report
唾液中の活性酸素障害物質を指標とした歯周病検査法の開発
Project/Area Number |
15791248
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
高根 正敏 日本大学, 歯学部, 助手 (40349965)
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Keywords | 唾液検査 / 酸化ストレスマーカー / 8-OHdG |
Research Abstract |
【目的】 唾液検査は、検体の採取法が容易であり、無痛下で採取が可能で、生体への侵襲がないなど、特にスクリーニング検査に有用である。以前我々は、活性酸素による酸化ストレスが歯周病の病態に関与し、酸化ストレスマーカーである8-OHdGが唾液中に検出され、健常者に比べ歯周病患者で高かったこと、歯周病患者においては初期治療により臨床症状の改善と共に8-OHdG濃度が低下することを報告した。しかしながら、初診時の臨床パラメータと8-OHdG濃度の関係は相関が見られなかった。本研究では、唾液中の8-OHdG濃度に影響を与える因子を検討する目的で特に予後不良歯を有する患者群と予後不良歯を有さない患者群で唾液中の8-OHdG濃度を比較検討した。 【結果】 1.初診時において予後不良歯を有する患者群の唾液中の8-OHdG濃度は予後不良歯を有さない患者群より有意に高かった。 2.初期治療により8-OHdG濃度は有意に減少したが、予後不良歯を有し、当該歯を抜歯した患者群の方が予後不良歯を有さない患者群よりも大きく減少した。 3.同一口腔内における歯肉溝滲出液中の8-OHdG濃度は予後不良歯がその他の歯周病に罹患している歯よりも高い傾向にあった。 【考察】 初診時において予後不良歯を有する患者群の8-OHdG濃度が予後不良歯を有さない患者群と比べて有意に高く、予後不良歯抜歯後には8-OHdG濃度が大きく減少したことから、唾液中の8-OHdG濃度は特に予後不良歯の歯肉溝滲出液の影響を受けていると考えられる。8-OHdGによる唾液検査は特に予後不良歯の有無のスクリーニングに有用であることが示唆された。
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Research Products
(1 results)