2004 Fiscal Year Annual Research Report
ニトロソ化内因性プロテアーゼインヒビターによる歯周病原菌の活性阻害
Project/Area Number |
15791250
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
小倉 理恵子 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (80320331)
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Keywords | Porphyromonas gingivalis / Arg-gingipain (Rgp) / α2-plasmin inhibitor (α2PI) / S-NO-α2-plasmin inhibitor (S-NO-α2PI) / S-ニトロソ化 |
Research Abstract |
α2-plasmin inhibitor (α2PI)はヒト血漿中に約69μg/ml(約1μM)存在するセルピンの1つで、分子内に4個の遊離SH基を持つ。生体内では単にプラスミン活性を阻害するだけでなく、プラスミノゲンのフィブリンヘの結合を阻害し血液凝固時にフィブリンに架橋結合があるため、フィブリン溶解(線溶)の特異的なインヒビターとして働いている。赤池らの報告によると、このSH基が容易にS-ニトロソ化されることから、α2PIのS-ニトロソ化合物S-NO-α2PIを作製し、これがP.gingivalisのプロテアーゼや様々なシステインプロテアーゼに対して有効な2機能性を持つプロテアーゼインヒビターとして機能するか検討した。 P.gingivalis ATCC33277株の培養上清より、イオン交換カラムを用いてシステインプロテアーゼ様活性画分(Arg-gingipain : Rgp)を精製した。 α2PIをDTTで還元した後イソペンチルナトライトを用いてS-ニトロソ化し、HPLC-フローリアクター法でS-NO-α2PIを定量した。 Rgp、カテプシンB、パパイン、およびプラスミンに対するS-NO-α2PIのプロテアーゼ阻害活性は、それぞれの特異的合成基質を用いて評価した。 プラスミンの存在下α2PIの血漿中濃度において、α2PIはRgpの活性を約75%、S-NO-α2PIは約80%阻害した。また培養上清においてもRgpの活性を阻害した。α2PIをS-ニトロソ化することによって、わずかではあるがRgpに対する阻害能が上がった。このことから、S-NO-α2PIは生体内においてもプラスミンの活性を抑え、またプロテアーゼ(Rgp)活性をも抑制する2機能性を持った内因性インヒビターとして、生体防御的な働きをするのではいないかと考えられた。
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