2003 Fiscal Year Annual Research Report
安全な医療提供を促進する教育訓練プログラムの開発に関する研究
Project/Area Number |
15791280
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Research Institution | College of Nursing Art and Science, Hyogo |
Principal Investigator |
増野 園恵 兵庫県立看護大学, 看護学部, 助手 (10316052)
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Keywords | リスクマネジメント / 教育訓練プログラム / 医療事故 / 医療安全 / インシデント分析 |
Research Abstract |
本研究の目的は、安全な医療提供を促進するための看護職を含む医療専門職およびその学生に対する教育訓練プログラムを開発することである。この目的を達成するために、初年度は教育訓練プログラムに必要な構成要素を抽出するとともに、効果的な教育訓練方法ついての検討を行った。 教育訓練プログラムの構成要素の抽出については、(1)医療事故・インシデント事例の分析、(2)国内外の医療安全・看護管理のエキスパートへのヒアリングを行った。また、国内外の医療安全・看護管理のエキスパートには、効果的な教育訓練方法についてもヒアリングを実施した。 事例の分析からは、臨床実践を行っている看護職が、事故やインシデントの発生原因を主に自己の問題(注意不足や知識不足など)に注目して分析しており、他の研究結果等から指摘されている職場・作業環境や人間関係、システムの問題はほとんど認知されておらず、これらに着目できるような内容を含む教育訓練の必要性が示唆された。エキスパートへのヒアリングからは、通常業務の中に潜むリスク要因を事故発生に至る前に捉えられる能力を高めるような教育訓練内容の重要性が強調された。また、教育訓練方法については、実践状況をイメージできるビデオを用いたシミュレーションと机上エクササイズ、直面する可能性の高いあるいはその施設で反復的に発生している問題を事例として取り上げること、集合教育とOJTとを組み合わせた教育訓練、多職種が合同で受ける教育訓練などが効果的であるという示唆を得た。 以上のような結果を元に、次の段階では具体的な教育訓練プログラムのモデル開発を進めていくことが必要である。また、今年度予定していた教育訓練公開の評価の視点と評価方法の検討は十分な検討データを得ることが出来なかったため、次年度も引き続き検討していく必要がある。
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