2003 Fiscal Year Annual Research Report
新人看護職における法的責任認識の発達・向上に関する縦断研究
Project/Area Number |
15791285
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
綿貫 恵美子 北里大学, 看護学部, 講師 (80327452)
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Keywords | 法的責任 / 責任認識 / 新人看護職 / 医療事故 / 看護教育 |
Research Abstract |
平成14・15年の2年間、K県内A大学の3・4年生を対象に看護学生・新人看護職における法的責任認識の形成・変化とその関連要因に関する縦断調査を実施した。本研究の初年度となる今年は、同一対象に対して臨床経験の蓄積に伴うその後の認識変化を把握すべく、11〜12月に第3回(3年目)の自記式質問紙調査を実施した。調査にあたって質問紙の推敲を行い、過去に「文章が難解」「日本の現状と合わない」等の意見があった専門職的自律性に関する既存尺度について、因子分析結果を元に項目を削減する、法的責任と関連し医療事故対応保険への加入に関する質問の追加等の変更を加えた。調査は、第1回、第2回のいずれかの調査協力者であるA大学卒業生に郵送調査をし、同時に縦断調査の進行に伴う標本数の脱落対策として、新たにA大学4年生に同種の質問紙を用いて、留置調査を実施した5配付数、回収数(回収率)は、卒業生137名に対し回収75(54.7%)、4年生122名に対し回収54(44.3%)であった。現在データ入力が終了し、経年変化の検討に向けた基本統計量の算出を行なっている段階である。今後は、4年時から新人1年目の変化について昨年と学年別に比較し、昨年度に見られた傾向(医療事故事例を用いた実際的な法的責任判断は低下、事故への関心・学習意欲等の認識の変化への交互作用効果はない)について検証し、学年間差がなければあわせて経年変化をみていく形の解析を行なう予定である。また、責任認識の変化のきっかけや、調査への意見を求めた自由記載欄には数多くの意見が多く書かれており、このテキストデータの解析から新たに関連要因を抽出できるよう内容分析を行っていく。これらの結果をさらに次年度以降の縦断調査に反映できるように研究を進める計画である。
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