2003 Fiscal Year Annual Research Report
少産少子化における女性の妊娠・出産体験が育児観形成にもたらす影響
Project/Area Number |
15791289
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
才門 尚美 山形大学, 医学部, 助手 (10333981)
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Keywords | 妊娠・出産体験 / 育児 / 育児観 / 不妊 / 女性 |
Research Abstract |
本研究は同一対象を妊娠後期から産後3年まで縦断的に質的に調査するものである。対象は多胎妊娠を除く妊娠35〜37週の初産婦で,研究者が本研究の趣旨を説明,研究協力を依頼し,同意が得られ同意書を交わした21名の女性であった。その後平成15年度交付申請書に示した通り,妊娠後期,産褥早期,児の1ヶ月健康診査(以下健診とする)後,4ヶ月健診後(産後5〜9ヶ月),10ヶ月健診後(産後11〜15ヶ月)の時点で面接をおこない,調査は継続中である。平成15年度末現在,転居,連絡先不明の3名を除く18名の対象に次年度引き続き調査を依頼する予定である。 本年度おこなった調査において得られた知見として,現代における女性の「妊娠・出産体験」の受けとめ方は肯定的なものがほとんどであったが,それ以外のものもおりその要因として「妊娠期の産科的異常」,「早産」,「児の健康状態が予想外のものであったこと」があげられた。また,対象には不妊治療の経験をもつ女性が存在したため「不妊治療を受けた女性の妊娠体験」として妊娠中の思いをまとめたところ,「妊娠反応陽性から妊娠確定時期までの不安」,「妊娠継続への不安」,「仕事が継続できるかへの不安」,「胎動への喜び」,「児が無事出生することへの願い」が抽出され,看護者は不妊治療を受け妊娠に至った女性の不安を軽減し妊娠期を快適に過ごせるよう,医師から十分な説明が受けられるよう調整し,妊娠生活への情報提供や出産準備教育を行うなかで心理的サポートの役割を担うことが重要であると考えられた(平成15年10月,第26回山形県母性衛生学会学術集会にて口頭発表済み)。 妊娠・出産体験が育児観形成にもたらす影響は現在調査継続中であるが,育児期の各時点において分析中であり平成16年度随時公表する予定である。
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