2005 Fiscal Year Annual Research Report
退院後の消化器系ストーマ造設患者への支援検討に関する研究
Project/Area Number |
15791292
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 直美 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (60345048)
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Keywords | Stoma / Colostomy / Quality of Life / SF-36 / 生活安定感 / Longitudinal study |
Research Abstract |
1.調査の進捗状況 術後約1年という4回の調査時点すべてを終了したものも数例あるが、まだすべて集積していない。そこで、それらについては、引き続き、データ収集を継続予定である。 2.調査結果のサマリー 術前と術後約2カ月ともに得られたデータ7例を用い、SF36によるQOLスコアを解析した。その結果、2時点とも、各ドメインの国民標準値に基づく尺度得点(norm-based scoring : NBS)は50点未満であり、今回の対象は、標準値よりも低いQOLにあることが示された。さらに、レスポンスシフトについては、術後約2カ月の時点では、術前時点のQOLを高く評価している傾向が伺えた。対象者への支援の際には、この状況をふまえて行う必要があると考えられる。詳細な検討については、今後、データ集積を待って行う予定である。 3.研究枠組みの拡大 昨年度、ストーマ造設患者のQOLを非ストーマ造設患者と比較検討するという視点で文献検討を行った結果、このような枠組みでのデータは、直腸癌患者の術式評価という点で大きな意義があることが考えられた。したがって、この視点でデータを比較検討できるよう、解析方針の追加等を行った。 4.既存データとの比較・検討 昨年度来より進めていた尿路系ストーマ保有者のSF-36を用いたQOLデータの解析は、最終的に以下の知見を得た。各ドメインのスコアで、性・年齢を調整した国民標準値と有意な差はみられなかった。またドメインのスコアと背景要因の関連を探索した結果、いくつかのドメインにおいて、同居者の有無、併存疾患の有無、性別、婚姻状況との間で関連がみられた。対象者への支援の際、これらを考慮して行う必要性が示唆された。本結果は、第23回日本ストーマリハビリテーション学会で発表した。
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