2003 Fiscal Year Annual Research Report
先天性心疾患をもつ成人移行期の子どもの自己管理とその影響因子に関する研究
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15791299
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高橋 清子 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (90343251)
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Keywords | 成人移行期 / 自己管理 / 自己管理の影響因子 |
Research Abstract |
本研究の目的は、先天性心疾患をもつ成人移行期の子どもが、自己管理行動の実際とそれに影響を及ぼす因子との関連を見いだし、医療職としての援助のあり方を検討していくための資料を得るのが目的である。成人移行期の患者の自己管理は、心疾患のみではなく、先天性疾患や小児期発症の慢性疾患患者に共通する問題である。面接法による質的アプローチを行うことで、成人移行期の患者特有の、具体的で個別的な援助方法が見いだされ、質の高いケアにつなげることができると考えている。 現在までの研究計画の経過報告を述べる。 まず、文献検討を行い、現時点までで明らかになっている成人移行期における患者の状況(医学的・社会的状況および影響因子についての状況)を把握した。遠隔期障害・残遺症・合併症等医学的問題点、学校の対応・学校生活等学校での問題点、親の養育環境・養育態度・子どもへの思い等親による影響因子、医療側の対応・医療職者の戸惑い等医療側の問題点が明らかになり、成人移行期の子どもの自律・自立への影響があることが分かった。次に、具体的な面接内容となる質問紙を作成し、医療者・親・研究協力者の意見を求め、倫理性・妥当性について慎重に検討を行った。そして、研究フィールドとしての「心臓病の子どもを守る会」に研究協力の依頼を行い了承を得た。研究協力者に対象者を紹介してもらい、半構成的質問紙を用いてのプレテストを行った。現在プレテストの分析を行っている段階である。この分析で、質の高いデータを得るため、さらなる面接内容の倫理性・妥当性および研究者の面接方法について検討し、データ収集に向けての準備を行っている。この分析後、実際にデータ収集を行い、データの分析を行っていく予定である。
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