2004 Fiscal Year Annual Research Report
がん患者のヘルスプロモーションを支える看護介入の検討
Project/Area Number |
15791303
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
吉野 明子 国立大学法人鳥取大学, 医学部, 講師 (20295851)
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Keywords | ヘルスプロモーション / 外来化学療法 / がん患者 / 外来看護 |
Research Abstract |
【対象者】臨床経験5年以上、外来化学療法を受けるがん患者に関わる看護師9名(平均年齢約34歳、平均臨床経験年数約12年)【データ収集・分析方法】平成16年10月〜12月の間に半構成的面接を1回/名(平均約40分/回)実施。対象者の承諾を得て録音したテープから逐語録を作成しそれらを質的帰納的に分析。【結果】看護師が捉えたがん患者のヘルスプロモーション(以下HP)は、<治療し病気を抑えるため・現状を維持するために受診する>、<病気が再発・悪化していないことを確認するために受診する>、<自己の身体感覚を通して身体状態を判断する>、<副作用に応じた対処方法をとる>、<自分なりにがんについての知識を得る>、<同病者の様子について情報収集する>、<自己の担う役割を果たす>の8つが抽出された。がん患者のHPと比較すると、彼らのHPの中の<自分にとり唯一の治療法である化学療法を万全の状態で確実に受ける>、<化学療法により生じる副作用に対して自分なりに対処する>、<見えない身体内にあるがんの状態を判断する>、<自分なりに情報収集する>の4つに類似していた。しかし、その他の<身体に良いと言われていることは何でも挑戦する>、<死について考える>等に類似したものは抽出されず、これは看護師が疾患や治療に伴い身体面に生じる問題を優先し捉えているためと推察される。がん患者のHPを促進する看護援助は、<患者が外来通院が行える状態・環境にあるか観察する>、<症状の確認をする>等を含む9つが抽出された。患者数の多さや人員不足に起因する"時間の無さ"は、重要な情報収集の場となる診察場面等への参加を制限し看護援助に生かすことを困難にしていた。がん患者のHPを支える看護介入として、患者の抱える問題だけでなく患者の取り組みを支える援助が必要であり、外来相談室等の役割分担や継続的な看護援助システム作りが求められる。
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