2003 Fiscal Year Annual Research Report
人工関節置換術を受ける患者の手術前後を通じてのQOLに関する縦断的研究
Project/Area Number |
15791308
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Research Institution | 佐賀医科大学 |
Principal Investigator |
藤田 君支 佐賀大学, 医学部, 助教授 (80315209)
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Keywords | THA / QOL / OA / WOMAC / SF-36 |
Research Abstract |
本研究の目的は、Total Hip Arthroplasty (THA)を受けた患者のQOLに影響する要因について明らかにすることである。調査の対象は,佐賀大学医学部附属病院の整形外科THAデータベース登録患者のうち,Osteoarthritis (OA),Avascular necrosis of the femoral head (ANFH),他のため1998年9月〜2001年9月までに同じ外科医によってprimary THAを受けた患者で,術後1年以上の在宅生活の319名である。方法は、郵送法による自記式質問紙調査を行い、測定項目は、QOLはShort Form-36、影響要因はThe western Ontario and McMaster Universities Osteoarthritis Index (WOMAC)、RosenburgのSelf-esteem scaleを調査した。なお,調査にあたっては調査の主旨と目的を文書で説明し,同意が得られた場合に返送を依頼した。対象者の一部には,調査票の信頼性を検討するため,2回の調査を行った.回収できた220名を分析対象とした。結果は,女性が82%、平均年齢は64歳であった。配偶者や子供など家族と同居している人は90%だった。病名はOAがほとんどで,術後の平均年数は1.7年であった。THA患者の身体的QOLは、股関節術後のADLがよく、仕事への支障がない人ほど高く、また股関節症以外の他の疾患を持ってない人ほど高い傾向にあった。精神的QOLは股関節術後の仕事への影響が少なく、自尊感情が高く、社交性がある人ほど高かった。これらの要因はTHAを受けた患者のQOLに重要であることが明らかになり、術後の継続看護において示唆が得られた。
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