2004 Fiscal Year Annual Research Report
長期入院患者のQuality Of Lifeの向上を目的とした動物介在看護
Project/Area Number |
15791316
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
熊坂 隆行 静岡県立大学, 看護学部, 助手 (80347385)
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Keywords | 長期入院患者 / QOLの向上 / 動物型ロボット、動物型福祉玩具 / 動物 / 生活環境 / 身体的・精神的・社会的影響 / 看護援助 / 動物介在看護 |
Research Abstract |
平成15年度は、動物に常在する人獣共通感染症や咬傷などを考慮しこれらの問題を克服できる動物型ロボット、動物型福祉玩具を病院や施設において患者様や施設利用者様に介在し、本来の動物介在の一指標とすべく、及ぼす影響を検証した。 平成16年度は、病院や施設に本来の動物を導入し、患者様や施設利用者様のQuality Of Lifeの向上を目的とした動物介在看護を目指した。今回は、病院でも感染症や咬傷などの問題を比較的容易にクリアできる岐阜県瑞浪市にある神経科・精神科病院と愛知県にある介護老人保健施設に動物を導入した。 今回の神経科・精神科病院における研究は岐阜県の保健所の事業の一環であり、私も専門委員の一人であったことから、病院における動物介在がスムーズに実現した。対象となった患者様は入院前動物を飼育していた患者様が多く、動物が好きだが入院等による環境の変化や疾病の事情により飼育動物と現在一緒に生活ができない状況にある方が多かった。一方、介護老人保健施設での対象者様はすべての方が入所する前動物を飼育していた。そこで動物介在のボランティアの協力を得、また、獣医師の健康診断を受けた動物を病院、施設内導入し、患者様や施設利用者様に本来の動物を介在した。動物との触れ合い前に比べて触れ合い後に気分が「プラス」となり、また「見る」「話す」「反応」といった行動が見られ、身体的・精神的・社会的影響が明らかとなった。このことから、動物との触れ合いが長期に入院している患者様や入所している利用者様のQOLの向上に寄与し、それは毎日の生活に変化をもたらすことができ、楽しみや生きがいを見つけ出す一方法となる可能性が考えられた。また、日常生活動作の維持・向上、安らぎやリラックス、コミュニケーションといった看護・介護援助の一手法として用いることができる可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)