2003 Fiscal Year Annual Research Report
実践の場における研究の取り組みによる保健師の実践能力開発の方法
Project/Area Number |
15791335
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
牛尾 裕子 千葉大学, 看護学部, 講師 (00275322)
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Keywords | 保健師 / 研究 / 実践能力 / 現任教育 |
Research Abstract |
A県保健活動業務研究集録に公表された平成14年度42演題の研究を対象に、研究論文の目的、方法、結果、考察の記述内容から、自治体保健師が実践現場で行う研究の研究課題、用いた方法と得られた知見の特徴を分析した。その結果、自治体保健師が実践現場で行う研究は、事業・活動の評価研究と事業・活動計画のための実態調査研究から主に構成され、事業・活動の効果や保健師が果たした役割を確認する、今後の事業・活動の方向性を明確にするという特徴があった。平成15年度A県保健活動業務研究発表会に報告された36演題の主任研究者を対象に、研究実施体制(人的体制、費用等)、取り組みの現状(研究期間、費やした時間等)及び研究によりもたらされた成果に関する認識を、無記名自記式郵送調査によって調べた。これにより、自治体保健師の実践現場における研究活動推進上の課題と研究者自身が認識する実践能力向上の内容が明らかになった。研究者が認識していた実践能力向上の内容は、看護職としての専門的知識・技術の向上、情報収集・処理・伝達能力等研究の基本的能力に加え、具体的な業務の改善、保健師活動の原理原則の確認、これによる意欲・自信の向上であり、実践の場における実践能力向上のための研究は、研究の取り組み過程とその取り組み過程における活動・業務の検討過程が重要と考えられた。 以上から、保健師が実践の場で行う研究の方法論及び実践の場において研究を推進する上での体制上の課題とあり方を整理することができた。平成16年度は、この成果に基づき、実践の場における研究を数事例試行しながら、研究の企画から成果を公表するまでの過程を詳細に明らかし、この研究の取り組みによる保健師の実践能力の変化を評価する。これにより、保健師の実践の場における研究実施指針を作成する。
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