2003 Fiscal Year Annual Research Report
在宅療養高齢者の脱水状態の早期発見を目的としたアセスメント指標開発に関する研究
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15791360
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Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
梶井 文子 聖路加看護大学, 看護学部, 助手 (40349171)
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Keywords | 高齢者 / 脱水状態 / アセスメント / 高張性脱水 / 在宅 / 自覚症状 / 低栄養状態のリスク |
Research Abstract |
平成15年度における研究目的は、在宅で生活する高齢者について、特に低栄養状態のリスクがあると判定された者に対して、脱水状態の主要評価項目である血清ナトリウム値、血清浸透圧値等の血液検査値と脱水状態に関連するリスク要因(性、年齢、疾患、使用薬剤、日常の水分摂取状況、健康状態)と自覚症状を明らかにした。 研究対象者は、研究協力の得られたY市社会福祉協議会管轄の高齢者ふれあいサロンに参加中の65歳以上の在宅高齢者のうち、低栄養状態(Protein Energy Malnutrition : PEM)のリスクが高いと判定された虚弱高齢者(以下、在宅虚弱群)とした。また対象群は、K大学の体操教室に参加中の65歳以上の高齢者(以下、体操教室群)とした。 調査項目は、血液検査(血清ナトリウム,血清カリウム、血清クロール、尿素窒素、クレアチニン、空腹時血糖、血清アルブミン、血清浸透圧)、問診内容(属性、現疾患、服薬等、飲水習慣、自覚症状)とした。 対象者の特性は、在宅虚弱群は、74名(男性27名、女性47名)で、平均年齢は76.6±7.0歳であった。一方、体操教室群は38名(男性17名、女性21名)、平均年齢71.7±5.3歳であった。脱水に関連する血液検査結果〜血清ナトリウム値は、両群ともに145mEq/lより高値の者は認められなかった。血清浸透圧値は、体操教室群には、295mOsm/lより高値の者は認められなかったが、在宅虚弱群では、300mOsm/lの者が3名(4.1%)認められた。他の検査項目についても、脱水状態にあると推測される者は、両群共に認められなかった。日常の水分摂取状況は、体操教室群に「夕食時の水分摂取量が多い」以外には両群には差は認められなかった。脱水状態に関連する症状・徴候では、在宅虚弱群の方が、「口唇の乾燥感」「口腔内の乾燥感」「のどの乾燥感」「嚥下時の違和感」に有意に多く状況が認められた。
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