2004 Fiscal Year Annual Research Report
高齢糖尿病者の自己効力感と食事療法の順守との関係における地域格差の検討
Project/Area Number |
15791363
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
水野 静枝 国立大学法人香川大学, 医学部, 助手 (20342222)
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Keywords | 高齢糖尿病者 / 自己効力感 / 食事療法 / 農村部居住 / 都市部居住 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、都市部居住高齢糖尿病者(以下、都市部居住者)と農村部居住高齢糖尿病者(以下、農村部居住者)の自己効力感と食事療法の順守との関係の地域比較を行うことである。 平成16年度の研究実施計画の目的は、農村部居住者の自己効力感と食事療法の順守との関係を明らかにし、その結果に基づき都市部居住者との地域格差を比較検討することであった。アンケート内容は、昨年度と同様のものを使用した。 今年度は、農村部居住者42名(男性21名、女性21名)からデータが得られた。平均年齢は、71.19±5.22歳であった。調査日から6ヶ月を遡って得られたHbAlcの平均は7.20±1.33であり、BMIは24.64±3.97であった。摂取カロリーは1159〜3749Kcalであり、平均は1884.05±554.14Kcalであった。指示カロリーに対する摂取カロリー比は-31〜134%であり、平均25.31±35.41%であった。また、各尺度の信頼性係数は0.6477〜0.7824であった。 配偶者の有無と自己効力感との関係では、配偶者のある者は配偶者のない者と比べて「健康に対する統制感」が有意に高かった(P<0.05)。次に、職業の有無とカロリー比との関係では、無職者は有職者と比べて摂取カロリー比が高い傾向にあった(P<0.1)。日常生活活動能力と摂取カロリー比との関係では、活動能力が高ければ摂取カロリー比も高くなる(r=0.349 P<0.05)という結果が得られた。教育入院経験の有無と摂取カロリー比との関係では、教育入院経験のある者はない者と比べて摂取カロリー比が高い傾向にあった(P<0.1)。今回の調査では、自己効力感と摂取カロリー比および糖尿病関連因子との間に有意な関係は認められなかった。 次に、都市部居住者と農村部居住者との比較では、「健康行動への対処行動の積極性」において都市部居住者が農村部居住者と比べて有意に高く(P<0.05)、日常生活活動能力においても都市部居住者が高い傾向にあった(P<0.1)。 現在、高齢糖尿病者の食に対する思いに関する文献検討を行い来年度の研究における見解を深めるとともに、個別性を重視した食事療法に関する教育プログラム試案への示唆を得ている。
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