2005 Fiscal Year Annual Research Report
高齢糖尿病者の自己効力感と食事療法の順守との関係における地域格差の検討
Project/Area Number |
15791363
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
水野 静枝 香川大学, 医学部, 助手 (20342222)
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Keywords | 高齢糖尿病者 / 自己効力感 / 食事療法 / 農村部居住 / 都市部居住 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、都市部居住高齢糖尿病者と農村部居住高齢糖尿病者の自己効力感と食事療法との関係の地域比較を行うことであった。両者の自己効力感と食事療法の順守に把握するためにアンケート調査を行い比較検討を行った結果、以下の結論を得た。 1)仕事を持つ高齢糖尿病者や配偶者のいる高齢糖尿病者が健康に対する統制感が高いのは、社会的役割や家庭内の役割を果たそうとする意識や充実感が自己効力感を高めている可能性がある。2)BMIを良好に維持している高齢糖尿病者は、疾患の管理に対して積極的に取り組めている者が多く、体重がコントロールの目安になっている可能性が考えられる。3)精神的に健康であることや日常生活に支障がないことは、自己効力感に影響していることが示唆された。4)摂取カロリーの少なかった男性及び家族と同居している高齢糖尿病者の食行動に影響している要因を明らかにする必要がある。5)摂取カロリーが多かった高齢糖尿病者は、日常生活に支障がなく職業をもっていないことから日常生活の過ごし方に目を向ける必要がある。6)都市部居住高齢糖尿病者が健康に対する統制感が高いのは、患者会や他者との交流が自己効力感を高めている可能性がある。7)都市部居住高齢糖尿病者が日常生活を自立して過ごしている背景には、公共交通機関の利用のしやすさなどが影響している可能性がある。 また、高齢者の食に対する思いを知るために文献検討を行った。高齢糖尿病者の食生活には、個々の生活に沿った支援の必要性が示唆された。
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