2016 Fiscal Year Annual Research Report
Representation theory of quiver Hecke algebras
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15F15017
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
有木 進 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (40212641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SPEYER LIRON 大阪大学, 情報科学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2015-10-09 – 2018-03-31
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Keywords | 円分箙ヘッケ代数 / アフィンC型 / スぺヒト加群 |
Outline of Annual Research Achievements |
対称群やヘッケ代数の表現論は長年にわたり豊かな研究の土壌であり続けてきた。1990年半ばにアフィンリー代数の可積分加群の圏化という観点が研究代表者により導入されそれが多くの一流の研究者の興味を引いて一般化された結果、現在では、円分箙ヘッケ代数という有限次元代数のクラスに一般化され、多くの結果が得られている。しかしながら、フォック空間への可積分加群の埋め込みを通じて標準基底と分解係数との関係を記述した研究代表者の研究に関してはアフィンA型を超える結果がなく、他のアフィン型への一般化が長年の課題であった。本研究はアフィンC型への一般化を目指して計画されたものである。アフィンA型の場合フォック空間への埋め込みの代わりにフォック空間から可積分加群への商を用いて考えることもでき、むしろこの描像のもとで加群圏のグロタンディエク群の中にスぺヒト加群の定める元を考えるほうが自然ともいえるが、今年度の研究においてようやくその描像の構築に成功した。そもそもこの描像が成立するためにはアフィンC型の場合にスぺヒト加群を定義する必要がある。今回、当該外国人特別研究員との研究にソウル市立大学のEuiyong Park氏にも参加してもらい、アフィンC型に対してスぺヒト加群の構成に成功したものである。スぺヒト加群は多重ヤング図形に対して定まり、基底もその多重ヤング図形上の標準盤で与えられることが期待されていたのであるが、実際C無限型の場合に証明することができた。以上の研究成果はすでにプレプリントサーバarXiv:1703.06425において公開済である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画に記載したアフィンC型スぺヒト加群の定義に成功し、C無限大型のときに基底定理を証明することができたため。
(追記)当該外国人研究員はBowman氏とともに、関連する研究成果としてKleshchev's decomposition numbers for diagrammatic Cherednik algebrasをTrans. Amer. Math. Soc.に掲載確定(査読有、学振への謝辞有)で、doi:10.1090/tran/7054ですでに論文が公開されているが、出版年・頁未定のためシステム上記入が不可能である。研究実績の概要に書くと字数超過でエラーが出るのでここに記載しておく。
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Strategy for Future Research Activity |
残余研究期間はあと半年弱であるが、今回定義したスぺヒト加群間の準同型を調べたり、今回定義したスぺヒト加群をセル加群とするセルラー代数構造があり得るかについて考察する。
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Research Products
(5 results)