2016 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15F15053
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
土橋 律 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (30237177)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GAO WEI 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 外国人特別研究員
|
Project Period (FY) |
2015-10-09 – 2018-03-31
|
Keywords | 粉じん爆発 / 微小粒子 / 火炎伝ぱ機構 / 火炎挙動 / 高速度撮影 |
Outline of Annual Research Achievements |
可燃性粉じんは粉じん爆発を起こす危険があるが、特に粒子サイズが微小化し表面積が増大した場合の粉じん爆発のリスクは大きいため、適切な粉じん爆発対策は産業等の安全上の重要な課題となっている。これまでは、実測による粉体の危険性評価が主な対策としておこなわれており、粉じん爆発現象(火炎伝ぱ現象)自体の科学的解明は不足していた。そこで、本研究では高速度カメラによる撮影映像等を詳細に解析することにより、粉じん爆発時の火炎伝ぱ機構を詳細に解明し、粉体の微小化の影響を予測する科学的バックグランドを整備することを目指して検討を進めている。 平成28年度は、平成27年度でセットアップした実験装置を完成させ、それを用いて種々の粉じん雲に着火して、粉じん爆発を発生させ、その時に伝ぱする火炎を高速度カメラで記録した。当初予定したPMMAのみならず、可燃性粉じんの材質の影響も検討するため、金属粒子なども含めて実験をおこなった。金属粒子については、燃焼生成物(金属酸化物)がサンプリング可能であるので、その分析も試みた。 粉体粒子サイズが小さくなると、火炎の燃焼帯が均一化し火炎伝ぱ速度も上昇するが、粒子サイズがミクロン以下になると、粒子の凝集が起こりやすくなり、その傾向がさらに進むことはないが安定して高速な火炎伝ぱが発生することが分かった。詳細については、さらに解析を進めている。 実験・解析結果の一部について、The 8th International Seminar on Fire and Explosion Hazards(2016年4月、中国合肥)および日本燃焼学会 燃焼シンポジウム(2016年11月、仙台)において研究発表をおこなうとともに、内外の粉じん爆発の研究者、専門家と意見情報交換をおこなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度は、装置を調整し、粉じん爆発実験を実行した。実験結果の解析はまだ完了していないが、平成29年度にまとめる予定であり、現在までの進捗状況はおおむね順調と言える。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成28年度に実施した実験データの解析をおこない、微小サイズの粉体の粉じん爆発における火炎伝ぱ挙動および火炎伝ぱ機構の熱流体力学的解析のまとめをおこなう。実験データに不足がある場合は、追加実験をおこなう。 機会をみて、内外の研究者との意見情報交換をはかり、研究内容の充実につなげる。
|
Research Products
(2 results)