2015 Fiscal Year Annual Research Report
相変化材料を用いた平面型アクティブTHzメタマテリアル
Project/Area Number |
15F15059
|
Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
田中 拓男 国立研究開発法人理化学研究所, 光量子工学研究領域, チームリーダー (40283733)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NGUYEN TUNG 国立研究開発法人理化学研究所, 光量子工学研究領域, 外国人特別研究員
|
Project Period (FY) |
2015-10-09 – 2018-03-31
|
Keywords | メタマテリアル / THz波 / 赤外光 / ナノ加工 / 相変化材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,二次元THz誘電体-金属メタマテリアルの設計,加工,評価と,このメタマテリアルに能動的特性を付加するのためにVO2相変化材料を装荷したメタマテリアルの作製の2つにステージを別けている.今年度はまず最初に数値計算手法を用いて,負の屈折率や誘電率,透磁率もしくは完全吸収特性を有する平面THzメタマテリアル構造の設計を行った.そして,マスクレス光リソグラフィ,電子ビームリソグラフィ,金属薄膜蒸着装置等を利用して,設計したメタマテリアルを試作した.試作したメタマテリアルの構造は走査型電子顕微鏡で評価し,設計通りの構造が加工できていることを確認した.また,メタマテリアルの光学特性は,フーリエ変換赤外分光器で透過ならびに反射スペクトルを測定することで評価した.その結果,数THzの赤外領域において,磁気共鳴に伴う波長選択的な光吸収特性が現れる事を確認した.この結果から,試作したメタマテリアルではその構造と光波との相互作用により実効的な透磁率も変化していることがわかった.第2ステージに向けて,VO2薄膜の誘電体-金属相変化特性の解析と実験を開始した.スパッタリング法を用いてシリコン基板表面にVO薄膜を作製し,これを大気中でアニールすることでVO2薄膜を作製した.作製したVO2薄膜の相変化特性を赤外光の反射率変化としてフーリエ変換型赤外分光器で測定・評価した.その結果,400℃でアニールを行うと最も反射率の変化が大きくなることを見出した. VO2薄膜上にメタマテリアル構造を積層加工した構造の光学特性を数値計算で解析しており,この計算によって,構造パラメータと動作周波数の関係を明らかにして,メタマテリアル構造の最適化を行う予定である.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
着任後約半年で1年分の研究計画をほぼ消化し,次年度に計画していた研究に進んでいる.また,得られた成果を応用物理学会春季講演会にて発表しており,研究は計画以上に順調に進んでいると判断する.
|
Strategy for Future Research Activity |
試作しているVO2薄膜の特性にややバラツキがあるので,この加工プロセスの再現性を高める必要がある.それ以外は特に目立った問題点はなく,計画通り研究を進める予定である.また,得られた成果はできるだけ早い段階で論文の形で纏める予定である.
|
Research Products
(1 results)