2015 Fiscal Year Annual Research Report
蘚苔類の多様性を利用した重金属回収と環境浄化の効果的方法の研究開発
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15F15079
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
榊原 均 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, グループディレクター (20242852)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ARES ANGELA 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | 重金属耐性 / 重金属蓄積 / 蘚苔類 / ファイトレメディエーション |
Outline of Annual Research Achievements |
水銀やヒ素などの蓄積が報告されている苔類チャツボミゴケ(Jungermannia vulcanicola)を入手し無菌処理を行った。そこから原糸体を分離し培養を行ったが、原糸体の状態では生育が非常に遅いことが判明した。一方、茎葉体の状態であれば実験室内でも良好に増殖できた。鮮類ミズゴケ(Sphagnum)については原糸体(葉状体)での維持が困難で茎葉体に分化してしまうため、茎葉体として維持培養をすることが現実的であり、効率的であることが明らかになった。つまりこれら2種の有用コケについては茎葉体のままで増殖し、金属回収に用いることが適切である。 以上の2つに加え、苔類のモデル植物として知られるゼニゴケ(Marchantia polymorpha)がカドミウムなどの重金属に対して強い耐性を示すことを見出した。また、これらの重金属はゼニゴケ体内に蓄積されるものの、無性芽(gemma)からは検出されなかった。このことはこのコケが重金属毒性から無性芽を保護するしくみがあることを示唆している。重金属処理によりゼニゴケはゲノム情報も入手可能であり、研究コミュニティも大きいことから、次年度新たな研究対象として加えることにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
チャツボミゴケとミズゴケについて原糸体培養よりも茎葉体での増殖する方がより効率的あることを結論できた。 また当初はチャツボミゴケとミズゴケを研究対象としていたが、モデルコケ植物として知られるゼニゴケも高度な重金属耐性を示すことを見出した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究からモデルコケ植物として知られるゼニゴケも高度な重金属耐性を示すことを見出した。ゼニゴケはゲノム情報が充実しているとともに、遺伝子改変技術も適用できることから、その耐性や蓄積のしくみに迫れる可能性がより高く、次年度は特にゼニゴケに注力して研究を進める予定である。
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Research Products
(1 results)