2016 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪細胞分化過程における脂質修飾プロテオームの時空間解析
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15F15081
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石濱 泰 京都大学, 薬学研究科, 教授 (30439244)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHANG HSIN-YI 京都大学, 薬学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | プロテオーム / 翻訳後修飾 / 脂肪細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、翻訳後修飾・定量プロテオミクス技術を脂肪細胞分化研究に適用し、その分子基盤を、タンパク質修飾およびその動的局在を鍵にして一網打尽に解明しようとする研究である。当初の計画では、脂肪細胞分化過程における分子機構の解明をターゲットにしていたが、白色、褐色、およびベージュ脂肪細胞におけるリン酸化修飾の違いを網羅的に解析したところ、カゼインキナーゼ2(CK2)の上昇が白色脂肪細胞特異的に生じていることを見出した。さらにその下流シグナルを精査したところ、CK2によりクラス1ヒストン脱アセチル化酵素 (HDACs)活性が上昇し、熱産生を妨げていることがわかった。そこで、標的分子群をリン酸化及びアセチル化タンパク質に変更し、研究を進めることとした。 アセチルリジン抗体を用いたアセチル化ペプチド濃縮法を確立し、LC-MS/MSと組み合わせたアセチル化プロテオミクスを用いてCK2阻害薬および各種HDAC阻害薬の白色脂肪細胞内アセチル化修飾に対する影響をプロテオーム規模で検討した。その結果、両阻害薬はミトコンドリア内におけるアセチル化修飾を有意に上昇させることが分かった。これらの結果は、リン酸化及びアセチル化シグナルが協働して白色脂肪細胞における熱産生を直接制御していることを示している。両阻害薬処理した白色脂肪細胞におけるタンパク質発現量の大規模解析とメタボローム解析を組み合わせて解析したところ、アセチル化修飾に変化のあったタンパク質は、TCA cycleおよびfatty acid metabolismに濃縮されていることがわかった。翻訳後修飾プロテオミクス、グローバルプロテオミクスおよびメタボロミクスなどのマルチオミクス解析を白色脂肪細胞における熱産生機構に適用することにより、キナーゼ活性や代謝恒常性維持に関わるアセチル化修飾の役割の一端を明らかにすることができた。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)