2015 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳類脳神経幹細胞の特性の経時変化を制御するエピゲノム修飾と細胞間シグナルの研究
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15F15083
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
松崎 文雄 国立研究開発法人理化学研究所, 多細胞システム形成研究センター, チームリーダー (10173824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WU QUAN 国立研究開発法人理化学研究所, 多細胞システム形成研究センター, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2015-07-29 – 2017-03-31
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Keywords | 神経幹細胞 / 対称分裂 / 非対称分裂 / エピジェネティクス / 単一遺伝子発現解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの単一細胞遺伝子発現プロファイリングから、時間軸に沿って変化する temporal pattern遺伝子を同定した。代表的なtemporal pattern遺伝子は胎生12日に大きな遷移を起こす。この遷移は、遷移の前後で変化する遺伝子の特徴から、神経幹細胞の増殖モードから神経産生モード(非対称分裂による)への遷移であると考えられる。平成27年度は、対称分裂から非対称分裂への遷移に関わる遺伝子を探索するため、対称分裂を行う胎生11日目と非対称分裂を行う胎生14日目の単一細胞遺伝子発現のセットをWGCNA法により解析し、その変化に重要な遺伝子モデュールを明らかにした。そのモデュールに含まれる遺伝子のなかでネットワークのハブとなっている複数の遺伝子について解析を加えた。その方法として、マウス胎児への遺伝子機能喪失と過剰発現により、分裂モードへ影響を及ぼすかどうかをハブとなる複数の遺伝子に対して解析し、複数の遺伝子に関し、対称分裂に影響を与えることを明らかにした。そのなかに、核酸のメチル化活性を持つものが含まれていた。従って、神経幹細胞の分裂モードの遷移に関するエピジェネティックな制御に関わる因子の候補が同定できたと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
発生期の神経幹細胞につて、目標としている対称分裂ー非対称分裂の遷移を制御するエピジェネティックな因子の候補が得られたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、同定されたメチル化活性を持つ因子の分javascript:onTransientSave()子機能を確認し、ターゲットとなる因子を同定することをめざす。
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