2016 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリアDNAがシナプス発達に関与するしくみ
Project/Area Number |
15F15105
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
内匠 透 国立研究開発法人理化学研究所, 脳科学総合研究センター, シニアチームリーダー (00222092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LIN CHIA WEN 国立研究開発法人理化学研究所, 脳科学総合研究センター, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | 遺伝子 / 神経科学 / 生理学 / 脳神経疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
シナプス発達にミトコンドリアDNAが関与するという仮説は、自閉症を含む精神神経疾患の病態の中で炎症との関連が重要視されているという最近の研究状況から来ている。自閉症では、社会性相互作用やコミュニケーションの異常、限局・反復する興味や行動といった社会性の異常を中心とした主症状を示すが、その他に胃腸障害は頻繁に見られる随伴症状である。 我々はミトコンドリアDNAの異常そのものは見いだすことができなかったが、自閉症モデルマウスの脳内での炎症反応の増大、腸内フローラの変容を見いだした。自閉症モデルマウスとして知られているBTBRマウスでは、脳内ミクログリアの活性化、IL-6やTNF-alphaなどの炎症性サイトカインの上昇が見られた。また末梢の腸におけるサイトカイン発現では、TGF-betaの発現上昇が見られた。腸の免疫細胞のFACS解析の結果、BTBRマウスでは、マクロファージ、TH1, TH17の上昇、Treg, Th2の増加が見られた。腸内フローラの解析では、プロバイオティクスの減少と日和見細菌の増加が見られ、BTBRマウス腸での免疫系の異常が示唆された。またDSS処理による腸炎誘発の観察からもBTBRマウスにおける免疫反応の障害が示唆された。BTBRマウスの免疫細胞集団の変化は脾臓やリンパ節でも見られたため、共通の前駆細胞である造血幹細胞レベルでの異常が疑われた。よってB6マウスを放射線照射した後、BTBRマウスの骨髄を移植したところ、腸内フローラ、DSS反応性、免疫細胞集団等、ドナーマウスの表現型を呈した。以上の結果から、BTBRマウスは造血幹細胞レベルでの異常により、脳内、腸での免疫反応の異常を示すことが示唆される。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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