2015 Fiscal Year Annual Research Report
HNF4αタンパク質導入によるiPS細胞から膵β細胞分化誘導技術開発
Project/Area Number |
15F15110
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
富澤 一仁 熊本大学, その他の研究科, 教授 (40274287)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HAKIM FARZANA 熊本大学, その他の研究科, 外国人特別研究員
|
Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
|
Keywords | iPS細胞 / 分化誘導 / 蛋白質導入法 / 組換え蛋白質 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.細胞膜透過性HNF4α組換え蛋白質の作製 HNF4αは、アルギニンとリジンが反復する配列を有しているため、膜透過性ペプチドを付加しなくても細胞内に導入できるのではないかと推測した。そこで、ヒトおよびマウスHNF4αにヒスチジンタグを付加した組換え蛋白質をコードする遺伝子を蛋白質発現用プラスミドに組み込んだ。同プラスミドを大腸菌に形質転換し、LB培地で培養した。IPTGで蛋白質翻訳を誘導させ、大腸菌内で大量に蛋白質を作製させた。大腸菌を可溶化後、遠心し、可溶化分画をニッケルカラムに通した。ニッケルカラムで精製後、目的のHNF4α組換え蛋白質が作製できていることを、SDS-PAGEゲル上で蛋白質を展開し、確認した。また、ウエスタンブロッティング法にても確認した。
2.組換えHNF4αのマウスESおよびマウス・ヒトiPS細胞内導入効率の検討 1.で作製した組換え蛋白質を、マウスESおよびマウス・ヒトiPS細胞の培地に、最終濃度が0.1µM~10µMの濃度になるように添加し、2時間培養した。その後、抗HNF4α抗体を用いて免疫染色を行った。いずれの細胞においても、濃度依存的にHNF4αが細胞内に導入されていることが確認できた。本結果から、HNF4α組換え蛋白質は、ポリアルギニンのような膜透過性ペプチドを付加しなくてもESおよびiPS細胞に効率良く導入されることが明らかになった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度の計画していた研究内容は、1.細胞膜透過性HNF4α組換え蛋白質の作製と2.組換えHNF4αのマウスESおよびマウス・ヒトiPS細胞内導入効率の検討である。これら計画していた研究内容は、すべて達成することができた。また、当初予測していたとおりの結果を得ることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
申請書に記載している計画内容の研究を、予定通り実施する。
|
Research Products
(1 results)