2015 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリア機能変化による細胞分化決定機構の解析
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15F15111
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤田 潤 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50173430)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JANG KYOUNG-JIN 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | ヘム / ミトコンドリア / 幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
フリーのヘムを検出するプローブとして、Hemeoxygenase-1 (HO-1)を用いた。HO-1は、ヘムを分解する酵素であるが、その酵素反応には、NADPHシトクロムp450還元酵素(CRP)が必要であり、CRPはヘムに依存してHO-1に結合する事が知られている。そこで、「酵素活性のないHO-1とYFPの融合タンパク」と、「CRPのHO-1結合ドメインとCFPの融合タンパク」をリンカーでつないだキメラ分子を作成した。このprobeは、理論的にはヘムが結合した時の構造変化によっておこるFRETによって細胞内遊離へムを検出できると考えられる。 来年度より、このprobeを使って実際に生体内フリーヘムの定量に使用出来るかどうかを調べる予定である。いくつか作成したprobeのうちうまく機能するfree-hemeプローブを選択し、発現を誘導出来るプロモーター下につないだtransgenic mouseを作成し、様々な細胞におけるフリーへムの量を定量する事によって細胞分化とヘムとの関係を調べることを目指す予定である。 一方、OH-1を組織特異的にinducibleに発現の誘導が出来るTransgenic mouseの作成にも取り組んだ。トランスジェニックマウス用のコンストラクションは先日完成したため、今から受精卵へのインジェクションを開始する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コンストラクションで思ったように進まないステップがあり、若干遅れ気味である。しかし、必要なコンストラクションがほぼ完成したため、今後は順調に進む事が期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
血液幹細胞、リンパ球前駆細胞、骨髄球前駆細胞など様々な分化段階の細胞のミトコンドリアの状態をMitotracker-GreenとMitotracjer-DeepRed(ミトコンドリア量と膜電位をモニターする)染色にて調べ、細胞分化との相関を調べる。また、それぞれの細胞におけるmROSとヘムの量を定量する。さらに作製したマウスを用いて、遊離ヘムの量と細胞分化の関係や、遊離ヘムが減少した事による細胞分化に与える影響を調べる。始原生殖細胞、精原細胞、精母細胞、精細胞、精子にいたる各分化段階におけるミトコンドリア状態、mROS、ヘムの量を定量し、それぞれの分化におけるミトコンドリアとmROS、ヘムの関係を調べる。さらに、作製したマウスを用いて、精子形成の各分化段階における遊離ヘムの量や、遊離ヘムが減少した事による、精子形成の各分化段階に与える影響を調べる。
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Research Products
(1 results)
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[Presentation] Mitochondrial function provides instructive signals for activation-induced B-cell fates.2015
Author(s)
Jang, K J., Mano, H., Aoki, K. Hayashi, T., Muto A., Nambu, Y., Takahashi, K., Itoh, K., Taketani, S., Nutt, SL., Igarashi, K., Shimizu, A. and Sugai, M.
Organizer
日本免疫学会
Place of Presentation
札幌
Year and Date
2015-11-17 – 2015-11-20