2016 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリア機能変化による細胞分化決定機構の解析
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15F15111
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
菅井 学 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (90303891)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JANG KYOUNG-JIN 福井大学, 学術研究院医学系部門, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | ヘム / クラススイッチ組換え / 形質細胞分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞分化は指示的なシグナルと、確率的な細胞内反応を統合的に判断して分化の方向が決定される事が知られている。活性化B細胞の分化決定も同様であり、試験管内での分化誘導系では確率的側面が良く見える実験系である事が知られていた。この分化誘導系を用いて、活性化B細胞の分化決定の確率的変化の実態を明らかにする目的にて、様々なパラメーターを検討し、形質細胞分化とクラススイッチ組換えに適した条件を検索した結果、活性酸素発生の変化が形質細胞分化とクラススイッチ組換えの振り分けに重要であることを見いだした。この時、ミトコンドリアで発生した活性酸素がヘムの合成を阻害することによって、それぞれの細胞系列への分化を決定していることも明らかになった。すなわち、細胞内で新規に合成されるヘムが、分化決定の初期因子としての機能を持つことを突き止めた。さらに、B細胞受容体刺激の下流で機能しているPI3KやAktを抑制することによって、ミトコンドリア機能が活性化されることと、その結果発生した活性酸素によって、クラススイッチが誘導され、形質細胞分化が抑制されることも見いだした(Jang et. al.Nat. Commns.2015)。この時も、結果としてヘム合成が抑制されることになるため、形質細胞分化の指示的なシグナルは、確率的な細胞内シグナルと同様、ヘム合成能というシグナルに変換され、統一的に解釈されている可能性が示唆された。このヘムによる細胞分化制御機構の一般性を検索する目的にて、細胞内ヘムを検出できるプローブの作成を試みた。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)