2016 Fiscal Year Annual Research Report
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15F15113
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松島 綱治 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (50222427)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SHAND FRANCIS 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2015-11-09 – 2018-03-31
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Keywords | マクロファージ / 単球 / がん |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、がんの増殖に重要な役割を果たす腫瘍浸潤マクロファージ(tumor-associated macrophage: TAM)の動態と多様性の制御機構を明らかにすることを目的としている。がん患者における腫瘍と免疫システムとの関わりを理解するには、ヒトのがんへの外挿可能性の高い実験モデル系が必要と考え、H28年度はMMTV-PyVTトランスジェニックマウス(乳がん自然発症マウスモデル)やEO771乳がん細胞株同所性移植腫瘍モデルを導入し、がんの進展に伴う単球・マクロファーシジの動態解析を進めた。MMTV-PyVTマウスのTAMは、LLCやEO771などの腫瘍局所に浸潤するTAMと比較し、MHC class II陽性Ly-6C陰性の成熟型マクロファージを多く含むことが明らかとなった。また、細胞周期インディケーターFucciマウスを宿主としたLLC細胞株の皮下移植による皮下腫瘍モデル、EO771乳がん細胞株を雌マウス乳房へ同所性に移植する乳がんモデル、FucciとMMTV-PyVTの交配による乳がん自然発症モデルを作成した。これらのモデルにおいて、腫瘍の増殖に伴う単球前駆細胞、単球、マクロファージの増殖応答をフローサイトメトリーにより解析した。増殖が停止した細胞において発現レベルが上昇するFucci-Redを指標に、単球の成熟によって変化すると示唆される、細胞機能に関わるマーカーを同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
MMTV-PyVT乳がん自然発症マウスのコロニーの立ち上げならびにFucci Green-Red MMTV-PyVTのトリプルトランスジェニックマウスの作成を完了した。これらの系統を用いて、腫瘍の発達を特徴付けや、がんによる単球・マクロファージの動態制御のフローサイトメトリー解析が概ね順調に進んでいる。またLLCとEO771の細胞株による移植がんモデルでの対照実験も行った。
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Strategy for Future Research Activity |
H28で立ち上げたFucciマウス実験系を引き続き進めながら、これらの実験から得たデータで次元圧縮などの解析で担がん宿主における単球前駆細胞、単球、マクロファージの由来および発生の段階を特徴付ける予定である。
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Research Products
(6 results)