2015 Fiscal Year Annual Research Report
ミスフォールド蛋白質/MHCクラスII分子複合体に対する自己抗体の産生機構の解明
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15F15115
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
荒瀬 尚 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (10261900)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JIN HUI 大阪大学, 微生物病研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2015-07-29 – 2017-03-31
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Keywords | 自己免疫疾患 / HLA / 自己抗体 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、MHCクラスII分子には、細胞内のミスフォールド蛋白質を細胞外へ輸送するという今までに知られていない機能があることを見つけたが、その生理的な機能は明らかでなかった。関節リウマチをはじめ、抗リン脂質抗体症候群、橋本病、バセドウ病など様々な自己免疫疾患におけるMHCクラスII分子に提示されたミスフォールド蛋白質の機能を解析することにより、MHCクラスII分子に提示されたミスフォールド蛋白質が自己抗体の標的分子になっていることを初めて明らかにした。すなわち、MHCクラスII分子によって細胞外へ輸送されてしまった細胞内のミスフォールド蛋白質が、自己免疫疾患の発症に関与するという今までに考えられていなかった新たな自己免疫疾患の新たな発症機序が明らかになった。そこで、MHCクラスII分子に提示されたミスフォールド蛋白質がどのように自己免疫疾患を引き起こすかを調べるために、マウスを用いて、自己抗体の誘導実験を行っている。その結果、アデノ随伴ウイルスベクターを使うことによってvivoで自己抗原・MHCクラスII分子複合体の発現系を樹立することに成功した。そこで、引き続き自己抗原・MHCクラスII分子複合体がどのように自己免疫疾患の発症に関与しているかを解明する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験計画に従って、vivoでの自己抗体産生系の樹立に成功したので、概ね順調に研究が進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画に従って、マウスを用いてミスフォールド蛋白質・MHCクラスII分子複合体がどのように自己免疫疾患に関与しているかを解明していく予定である。本研究により、自己免疫疾患の発症機構が明らかになることが期待される。
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Research Products
(4 results)
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[Presentation] Myeloperoxidase/HLA class II complexes are targets for autoantibodies in ANCA-associated vasculitis2015
Author(s)
Hiwa Ryosuke, Ohmura Koichiro, Arase Noriko, Jin Hui, Hirayasu Kouyuki, Kohayama Masako, Suenaga Tadahiro, Saito Fumiji, Iwatani Hirotsugu, Atsumi Tatsuya, Terao Chikashi, Mimori Tsuneyo, Arase Hisashi
Organizer
第44日本免疫学会学術集会
Place of Presentation
札幌コンベンションセンター(北海道)
Year and Date
2015-11-18 – 2015-11-20
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[Presentation] MPO/HLA classⅡ複合体は顕微鏡的多発血管炎における自己抗体の標的である2015
Author(s)
日和良介, 大村浩一郎, 荒瀬規子, 金暉, 平安恒幸, 香山雅子, 末永忠広, 齋藤史路, 岩谷博次, 渥美達也, 寺尾知可史, 三森経世, 荒瀬尚
Organizer
第43回日本臨床免疫学会総会
Place of Presentation
神戸国際会議場(兵庫)
Year and Date
2015-10-22 – 2015-10-24
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