2017 Fiscal Year Annual Research Report
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15F15307
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
十一 元三 京都大学, 医学研究科, 教授 (50303764)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHAO SHUO 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2015-10-09 – 2018-03-31
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Keywords | 共同注意 / 自閉スペクトラム症 / 自己関連づけ処理効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、主に以下の研究成果を挙げた。 自閉スペクトラム症(autism spectrum disorder: ASD)における共同注意(joint attention)の障害問題について、先行研究では臨床報告と実験報告において大きなギャップがあった。臨床報告においては、ASDの共同注意能力は障害されているが、実験報告においては、そのような共同注意の問題はほとんど見られなかった。 これまでの研究成果から、行動実験において自己関連付け効果(self-referential processing)は共同注意に影響する重要な要素だと報告されている。しかし、このような影響に関わる脳神経メカニズムは明らかにされていなかったため、本年度において核磁気共鳴画像(functional magnetic resonance imaging: fMRI)を用いて、24名の定型発達者(typical development: TD)を対象に、自己関連付け効果がヒトの注意に影響する脳の神経メカニズムを調べた。その結果、自己関連付け効果が前帯状回と前頭前野皮質の活動を通じて、ヒトの注意能力を調整していることが明らかになり、さらに、刺激に対して量的ではなく質的な影響を与えていることがわかった。このような結果から、ASDの共同注意障害に関わる脳内メカニズムの問題について、その1つの原因は前帯状回と前頭前野皮質の活動およびその間の連結問題だと考えられる。本研究の結果は第58回日本児童青年精神医学会総会で発表し、皆さんから多くのコメントを頂いた後、現在、国際雑誌(frontiers in human neuroscience)に投稿している。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)