2016 Fiscal Year Annual Research Report
ミャンマーにおけるバリューチェインの形成と産業高度化に関する研究
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15F15311
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
田口 博之 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 教授 (70738020)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NI LAR 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2015-11-09 – 2018-03-31
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Keywords | 国際経済学 / アジア経済 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ミャンマー経済において、グローバル・バリュー・チェイン(製造業におけるサプライチェーンの国を超えた展開)が形成された場合の経済的な効果について、マクロ経済分析、産業セクター分析を含む総合的な視点から分析して、併せて政策提言を行うことを目的としている。 平成28年度においては、Ni Lar特別研究員によるミャンマーでの現地調査等を通じて、上記の分析に必要なデータ・文献の収集・整理を行った。この結果として、主として以下の研究成果をあげることができた。 一つは、グローバル・バリュー・チェインの形成要因に関する分析である。製造業の全業種について、東アジアを対象に、貿易取引におけるフラグメンテーション理論(生産要素価格差とサービスリンクコストの二つの要因でグローバル・バリュー・チェインを説明する)の適合性を分析し、鉄鋼・化学・機械産業の業種を中心に、部品を含む中間財の取引においてフラグメンテーションの適合性が高いことを検証し、その成果を査読付英雑誌論文としてとりまとめた。 二つは、ミャンマーを含む資源国における資源開発が、グローバル・バリュー・チェインの核となる製造業の発展を妨げているか否か(いわゆる「資源の呪い」仮説の適合性)についての分析である。ミャンマーを含むアジア諸国では、資源収入活用の政策・制度の設計によっては「資源の呪い」仮説が適合せず、むしろ資本蓄積を促進する効果があることを検証し、その成果について学会で発表するとともに査読付英雑誌論文としてとりまとめた。 三つは、ミャンマーを含むメコン諸国における政府開発援助の受入れ効果に関する分析である。日本による政府開発援助は円借款方式による経済インフラの整備が中心であり、こうした援助はグローバル・バリュー・チェイン形成に必要な資本蓄積を促進する効果があることを検証し、その成果を査読付英雑誌論文としてとりまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画に沿って、学会発表を行い査読付英雑誌論文を取りまとめるなどの研究成果をあげているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後とも、当初の研究計画に沿って、学会発表、査読付英雑誌論文のとりまとめ等の研究成果をあげていくこととする。
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Research Products
(5 results)