2015 Fiscal Year Annual Research Report
仕事への埋め込み、組織適合、組織への同一化が離職意図および職務成果に与える影響
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15F15312
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
関口 倫紀 大阪大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (20373110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GHOSH DEBJANI 大阪大学, 経済学研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2015-11-09 – 2018-03-31
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Keywords | 組織行動 / 仕事への埋め込み / 組織適合 / 同一化 / 国際比較 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の中心である「仕事への埋め込み」もしくは「組織への埋め込み」概念が、組織で働く従業員に与える影響についての複数のプロジェクトに取り組んだ。具体的には、まず、組織の多様性が仕事の埋め込みに与える影響と、それを調整する要因に関する理論を構築し、それに基づいた論文を執筆し、Academy of International Business Annual Conferenceに投稿した。当該論文では、組織の多様性を2次元を軸に3つのタイプに分類するフレームワークを考案し、各々の組織の多様性が仕事への埋め込みに異なる形で与えるプロセスを論理的に展開し、そのプロセスを調整する経営施策について考察した。審査の結果、2016年の年次大会での発表が認められた。次に、組織における公正性が、仕事への埋め込みの増大を通じて職務パフォーマンスの向上につながる因果関係プロセスについてのサーベイデータを分析し、実証分析の結果を論文化し、査読付き国際学術雑誌に投稿した。現在論文の審査中である。当該論文では、組織における異なるタイプの公正性が、仕事への埋め込みの異なる下位次元に与える影響を分析し、そのようなプロセスが、最終的に従業員の職務パフォーマンスに影響するメカニズムを実証的に検討した。最後に、仕事の埋め込みが、従業員の離職意図、離職行動、職務パフォーマンスなどに与える影響にかんするメタ分析の研究計画を作成し、メタ分析の実施に向けた論文データの収集を始めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究員の本学への着任が、ビザ取得などの都合により当初よりも1か月ほど遅延し、かつ、予算執行準備や研究室・設備などの研究環境のセットアップに時間を要したことにより、研究の着手が遅れたにも関わらず、その後の研究活動を急ピッチで進めたことから、結果的には、現在、3つの研究プロジェクトに同時に取り組むことができている。実際、3つの研究プロジェクトのうち、2つについては、初版ではあるが論文の形にまとめることができ、そのうち1つは2016年度のAcademy of International BusinessのAnnual ConferenceのCompetitive Paper Sessionでの発表がアクセプトされた。もう1つの論文については、定評のある査読付き国際学術雑誌に投稿することができた。3つ目のプロジェクトについても、メタ分析の大枠を決定し、調査計画を立て、すでに論文データ収集を開始することができた。さらに、4つ目のプロジェクトについての計画も進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度および来年度については、現在進行中の3つのプロジェクトを進めると同時に、4つ目のプロジェクトとして、日本およびインド地域での実証調査を実現するべく活動を継続していく予定である。1つ目の理論論文については、現在、当該分野で著名な複数の研究者にコンタクトをとり、理論の問題点と改善点についてのフィードバックを依頼している。また、2016年にAcademy of International Business Annual Conferenceで行う発表へのフィードバックに基づいて、理論をさらに改良していく。それを踏まえた改訂論文を作成し、経営学の査読付き国際トップジャーナルへの投稿を目指す。2つ目の実証論文については、現在、査読付き国際学術雑誌にて審査中であるが、審査結果を得たのち、必要であれば改訂し、最終的な掲載を目指す。メタ分析については、現在データ収集中であるが、データ収集を終了し、データ分析に取り掛かる予定である。分析結果を吟味し、論文化したうえで、国際学会および国際学術雑誌に投稿していく予定である。これらの3つのプロジェクトに加え、日本とインドの比較を念頭においた新たな実証研究プロジェクトを計画し、仮説の構築、リサーチデザインの考案を踏まえ、データ収集およびデータ分析を行っていく。
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Research Products
(2 results)