2015 Fiscal Year Annual Research Report
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15F15332
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
阿部 郁朗 東京大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (40305496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WANG WEI-GUANG 東京大学, 薬学研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2015-11-09 – 2018-03-31
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Keywords | 生合成 / 物質生産 / メロテルペノイド / 遺伝子クラスター / 複雑骨格天然物 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ステロイドに匹敵する多様で重要な生物活性を有し、医薬品開発が期待される、メロテルペノイドの生合成マシナリーの精密機能解析と物質生産を主たる目的とする。バークレージオンなど、新奇で複雑な骨格を有する糸状菌由来生物活性メロテルペノイドの生合成研究に従事する。既に生産菌のドラフトゲノム配列の解析により、候補となる生合成遺伝子クラスターは判明しており、これを麹菌の異種発現系に再構成することにより、その生合成経路を確立し、物質生産系を構築する。また、メロテルペノイドの構造多様性創出の鍵となる、特異な反応を触媒する多機能型酸化酵素について、その反応機構と構造機能相関の解明、酵素機能の改変などをめざす。 メロテルペノイド生合成において分子骨格構築の鍵となるのはポリケタイド部分生合成を担うポリケタイド合成酵素、テルペノイド部分を縮合するプレニル基転移酵素、末端二重結合に対するエポキシ化を触媒するフラビン要求性の酸化酵素、そして閉環反応を担う環化酵素である。これら4種の酵素が構造多様性を産み出す基盤となる。初年度は、バークレージオンなど、新奇で複雑な骨格を有する糸状菌由来生物活性メロテルペノイドの生合成遺伝子クラスターを構成する遺伝子を、麹菌の異種発現系に再構成することにより、その生合成経路を確立し、物質生産系を構築をめざした。計画通り、バークレージオン生合成遺伝子クラスターを構成する遺伝子を、麹菌の異種発現系に再構成することにより、その生合成経路を確立し、物質生産系の構築に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り、バークレージオン生合成遺伝子クラスターを構成する遺伝子を、麹菌の異種発現系に再構成することにより、その生合成経路を確立し、物質生産系の構築に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度も、引き続き、バークレージオン等、糸状菌由来生物活性メロテルペノイドの生合成遺伝子クラスターを構成する遺伝子を、麹菌の異種発現系に再構成することにより、その生合成経路を確立し、物質生産系を構築をめざす。また、生合成遺伝子クラスターを構成する各酵素について、他のホモログ酵素との配列比較、または、ホモロジーモデルなどに基づく、部位特異的変異の導入などにより酵素の構造機能相関を検討し、酵素反応機構の解明と分子多様性創出をめざす。さらに、各酵素の潜在的触媒能力を利用してコンビナトリアル生合成による非天然型新規メロテルペノイド生合成マシナリーの構築に着手する。
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