2015 Fiscal Year Annual Research Report
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15F15350
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高木 剛 九州大学, マス・フォア・インダストリ研究所, 教授 (60404802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PETZOLDT ALBRECHT 九州大学, マス・フォア・インダストリ研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2015-11-09 – 2017-03-31
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Keywords | 公開鍵暗号 / ポスト量子暗号 / 多変数多項式暗号 |
Outline of Annual Research Achievements |
ポスト量子暗号は、量子計算機の超並列計算モデルにおいても解読が困難となる数学問題を基にして構成される暗号方式である。本研究課題では、多変数多項式の求解問題の困難性を基にした公開鍵暗号を考察している。特に、既に実用化されいるRSA暗号や楕円曲線暗号と同様の効率性を有する多変数多項式暗号の構成を目指す。 本年度は、多変数多項式暗号を構成する数学問題の中で、Hidden Field Equation vinegar minus (HFEv-)と言われるクラスを用いたディジタル署名の高速を考察した。特に、グレブナ基底を用いた代数的攻撃に対して安全となるパラメターを考察し、安全性を低下させることなく署名生成プロセスが約2桁の高速化を達成する方式を提案した。更に、提案方式は署名サイズが120ビットとなり、他の署名方式と比較して非常に短い署名長を実現している。本成果は、オークランド大学で開催された国際会議Asiacrypt 2015において発表した。 また、多変数多項式暗号に関する最新結果をサーベイした論文「Recent Trends in Multivariate Cryptography」を、2016年1月19-22日に熊本で開催された2016年暗号と情報セキュリティシンポジウム(SCIS2016)において発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度は、ポスト量子暗号に関して査読付き論文2編の発表(Asiacrypt 2015, The New Codebreakers)と国内シンポジウムでの講演1件(SCIS2016)を行った。これらの成果は、2015年11月からJSPSポスドクとして開始した点を考慮すると当初の計画以上に研究が進んでいるとみなせる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、多変数多項式暗号の中で標準的なディジタル署名や暗号化に機能を追加した暗号方式の構成を検討する。特に、グループ署名やブラインド署名などの多変数多項式暗号の高機能化を考察する。他には、群上のDiffie-Hellman鍵交換方式や格子ベースのLWE鍵交換方式の類似として、多変数多項式の構造を利用した鍵交換方式の構成を考察する。
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Research Products
(8 results)