2016 Fiscal Year Annual Research Report
Production of medium chain fatty acids (MCFA) using food waste
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15F15352
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
チャン ヨンチョル 室蘭工業大学, 工学研究科, 教授 (30422025)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MOTAKATLA VENKATESWER REDDY 室蘭工業大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2015-10-09 – 2018-03-31
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Keywords | 中鎖脂肪酸 / 嫌気微生物 / 鎖伸長 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究期間(上半期)では、野菜・果実の食物残渣を用いた中鎖脂肪酸生産実験をおこなった。この実験を行った理由は食物残渣による中鎖脂肪酸の生産報告はあるが最適培地の検討はまだ行われていなかったためである。最適培地の検討として、用いた食物残渣はカボチャわた、カボチャ皮、リンゴ残渣であり、これらを培地として中鎖脂肪酸生産を行い最適培地の検討を行った。結果、カボチャわたでは26日目にカプロン酸最大濃度6.16 g/L生産しカプリル酸は33日目に最大濃度0.30 g/L生産した。カボチャ皮では最大で26日目に0.81 g/Lのカプロン酸、33日目に0.06 g/Lのカプリル酸を生産した。リンゴ残渣は33日目に最大濃度のカプロン酸を1.23 g/L、カプリル酸を0.15 g/L生産した。この結果より最も中鎖脂肪酸を生産したのはカボチャわたを用いたものであり、カボチャわたが中鎖脂肪酸生産に適していると推測された。これは食物残渣の組成、中鎖脂肪酸生産時のpHが適していたためだと考えられる。 研究期間(下半期)では、現在多くが廃液として浄化処理されているチーズホエーの再利用方法としてチーズホエーを用いた中鎖脂肪酸生産の検討を行った。結果、35日目に最大でカプロン酸が2.20 g/L、カプリル酸が0.82 g/L生産された。このことからチーズホエーを用いた中鎖脂肪酸生産が可能であることが示唆された。また、培養期間中のpHの減少が大きかったためpHを7に調整しながら培養する必要があると考えられる。第1章の実験で最も中鎖脂肪酸生産を生産したカボチャわたと比較すると中鎖脂肪酸の生産濃度を比較するとカボチャのわたの方が中鎖脂肪酸を生産したが短鎖脂肪酸濃度はチーズホエーの方が高かった。このことよりpHなどの条件を適した条件にすることでチーズホエーの方が中鎖脂肪酸をより生産できる可能性も考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初目標としていたMCFA生産の最適化および回分式嫌気反応槽を用いた生産効率の検証が順調に進み、成果が得られている。特に中鎖脂肪酸生産において最も重要な微生物の群集構造解析を完了したことは大きな成果といえる。
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Strategy for Future Research Activity |
<回分式嫌気反応槽を用いた生産効率の検証> 予算上の問題から反応槽は手作りのものを使用する。連続的に流入する反応物質(原料)を反応器にいれる完全混合槽を用いる。集積培養液にVFAが入った瞬間に反応器内容物と完全に混合されるので反応が早く濃度が均一に管理できる利点がある。構成部品はガラス、バイトンチューブ、ステンレス材質のものを使用する。リアクターの容積を1~2Lとし、廃水の連続分解における平均滞留時間の影響及び総有機炭素(TOC)及びCODを測定する。本研究では、チーズホエーを介して中鎖脂肪酸を生成し、中鎖脂肪酸の中からC8を経済的に精製する方法を確立したのち、生産中鎖脂肪酸の純度を確認する。チーズホエーを用いたC8の生産率に関して国内外の研究報告はないものの、食物残渣を用いた海外の研究報告に示されているC8の最高値である0.3g C8 L-1 D-1と同等あるいはそれを上回る生産率を目指す。
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Research Products
(7 results)