2015 Fiscal Year Annual Research Report
進化分子工学によるドラッグデリバリーシステムの精密標的化
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15F15355
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
伊藤 嘉浩 国立研究開発法人理化学研究所, 伊藤ナノ医工学研究室, 主任研究員 (40192497)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
AVANASHIAPPAN NANDAKUMAR 国立研究開発法人理化学研究所, 伊藤ナノ医工学研究室, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2015-11-09 – 2017-03-31
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Keywords | ペプチド / メディシナル化学 / クリック化学 / コンビナトリアル化学 / 膜タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず葉酸レセプターのサブタイプ選択的な葉酸結合型ペプチドアプタマーからなるリガンドの開発および抗がん剤導入デリバリを目指した。 葉酸結合型ペプチドアプタマーを得るために、葉酸を結合したペプチド・ライブラリーの構築が必要である。そのために、側鎖にアジドを有するペプチド・ライブラリーを進化分子工学的手法にて調製し、そのアジド基にアルキンを有する葉酸をクリック反応で結合させることを計画した。アルキンを有する葉酸は、有機合成化学的手法にて調製することを検討した。アルキンには直鎖アルキン(アミンプロピン)と8員環アルキン(DBCO)の2種類を用いて合成し、2種とも合成、単離精製に成功した。 ペプチド・ライブラリーとのクリック反応を行う前に、アジドフェニルアラニンとのクリック反応にて条件検討を行った結果、アルキンを有する葉酸の水溶性が著しく低いために、高濃度条件下など特殊な条件においては反応がみられたものの、実際に行う条件では求める反応効率が得られないことがわかった。 そこで、①アルキン葉酸へのPEG鎖の導入および②葉酸の代わりに水溶性葉酸アナログであるメトトレキサート(MTX)を用いるという2つの改善策を提案し、現在合成を行っている。合成出来次第、葉酸結合型ペプチド・ライブラリの構築し、目的のペプチドアプタマを単離することを計画している。 この他、進化分子工学工程に必要な有機化合物の合成や、ドラッグデリバリー及びその基礎となる有機化合物の合成を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
着任後半年も経っていないため、まだ、最終生成物には至っていないものの、合成実験は着実に行われている。進化分子工学工程についての検討も同時並行的に行なわれている。
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Strategy for Future Research Activity |
有機合成化学を駆使した進化分子工学手法に加えて、コンピューターシミュレーションも活用して分子設計を進める。
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