2016 Fiscal Year Annual Research Report
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15F15357
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
PHAM NAM・HAI 東京工業大学, 工学院, 准教授 (50571717)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BUI CONG TINH 東京工業大学, 工学院, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2015-11-09 – 2018-03-31
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Keywords | 強磁性半導体 / スピンゼーベック効果 / プラナーNernst効果 / 異常Nernst効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
室温動作可能なn型強磁性半導体InFeSb薄膜の結晶成長およびスピン依存熱電効果の測定装置の構築に成功した。 (1)n型強磁性半導体InFeSb薄膜の結晶成長 n型強磁性半導体InFeSb薄膜の結晶成長に成功した。InFeSbはバンドギャップが小さく、室温動作可能なn型強磁性半導体であるため、大きなスピン依存熱電効果が期待できる。また、室温動作可能なp型強磁性半導体GaFeSbと組み合わせることによって、高性能な発電素子が期待できる。 (2)スピン依存熱電効果の測定装置の構築に成功 スピン依存熱電効果を測定するために、InFeSb薄膜を犠牲エッチングし、半絶縁性GaAs基板を漏出させ、その上にPt配線による熱源を作製した。これにより、InFeSbの面内と面直に温度勾配の発生ができるようになった。また、InFeSb薄膜の熱勾配によるスピン流を検出するために、Ptスピンホール薄膜をInFeSbの表面に蒸着した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
スピン依存熱電効果の測定システムの構築および測定対象となる材料の作製に成功したものの、測定を担当している研究分担者が2度にわたって育児休暇を取ったため、測定がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)n型強磁性半導体InFeSbにおけるスピン依存熱電効果の評価 去年に室温動作可能なn型強磁性半導体InFeSbの薄膜の結晶成長に成功したため、本年度にInFeSbのスピン依存熱電効価の評価を行う。InFeSbにPt配線を用いる熱源を作製し、InFeSb薄膜の面直および面内方向に熱の勾配を発生させる。熱源によって発生したInFeSbのスピン流によるスピンゼーベック効果、プラナーNernst効果および異常Nernst効果をInFeSbの表面に蒸着したPt薄膜のスピンホール効果により評価を行う。また、熱電効果の磁化角度依存性、外部磁場依存性および温度依存性を系統的に調べ、スピンゼービック効果、プラナーNernst効果と異常Nernst効果の各成分の貢献度を分離する。具体的には、スピンゼーベック効果と異常Nernst効果を磁化の奇関数成分、プラナーNernst効果を磁化の偶関数成分で分離できる。また、スピンゼーベック効果と異常Nernst効果を温度勾配の面直・面内依存性から分離を行う。
(2)InFeSb強磁性半導体薄膜におけるスピン依存熱電効果のメカニズムの解明 InFeSbの磁気特性および電気伝導特性を変化させて、スピン依存熱電効果との関連性を調べることによって、InFeSb強磁性半導体におけるスピン依存熱電効果の物理的な起源を解明する。
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