2015 Fiscal Year Annual Research Report
FeベースIII-V族強磁性半導体によるスピントロニクス材料とデバイスの研究
Project/Area Number |
15F15362
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 雅明 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30192636)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NGUYEN TU 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
|
Project Period (FY) |
2015-11-09 – 2018-03-31
|
Keywords | 強磁性半導体 / 狭ギャップ強磁性半導体 / スピン / スピントロニクス / (Ga,Fe)Sb / 強磁性転移温度 / キュリー温度 / ヘテロ構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
正四面体Fe-AsやFe-Sb正四面体(閃亜鉛鉱型)共有結合を有する狭バンドギャップ・キャリア誘起III-V族強磁性半導体[(In,Fe)As, (Ga,Fe)Sb, (In,Fe)Sb]とその超薄膜・量子井戸・ヘテロ構造・ナノ構造、それらを用いたスピン機能デバイスを作製することを目的として、 初年度は以下の研究を行った。 1) 分子線エピキタシー(MBE)法による新しい鉄系強磁性半導体薄膜[(In,Fe)As, (Ga,Fe)Sb, (In,Fe)Sb]を作製した。 2) (In,Fe)As超薄膜を含む量子井戸構造をもつを作製し、波動関数をゲート電圧で制御することにより、電気的手段で磁性を制御することに成功した。 3) Fe濃度20%まで添加した(Ga,Fe)Sb混晶半導体薄膜を成長し、その構造、磁気物性、磁気光学効果、磁気輸送特性などを詳細に調べた。 4) Fe濃度20%の(Ga,Fe)Sbの強磁性転移温度(キュリー温度)T_Cは230Kに達した。これはIII-V族強磁性半導体のT_Cとしては最高値である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
新しい鉄系強磁性半導体薄膜のMBE成長に成功し、特にFe濃度20%の(Ga,Fe)Sbの強磁性転移温度(キュリー温度)T_Cは230Kに達した。これはIII-V族強磁性半導体のT_Cとしては最高値である。
|
Strategy for Future Research Activity |
・強磁性半導体薄膜のMBE成長条件をさらに最適化し、より高品質で高いキュリー温度T_Cの材料を得る。 ・強磁性のメカニズムを調べるため、キャリア濃度制御による強磁性の制御を試み、キャリア誘起強磁性の検証を行う。 ・量子井戸構造をもつ電界効果トランジスタ(FET)における波動関数制御の実験をさらに進め、超低消費電力磁化制御技術の実証を行う。
|
Remarks |
グエンタントゥ 2016年3月 応用物理学会スピントロニクス研究会英語講演奨励賞を受賞。 2015年秋季応用物理学会における下記発表に対して: Nguyen T. Tu, Masaaki Tanaka et al. "High-temperature ferromagnetism in heavily Fe-doped ferromagnetic semiconductor (Ga,Fe)Sb"
|
Research Products
(3 results)