2015 Fiscal Year Annual Research Report
次世代型多触媒動的光学分割法の開発とドミノ型不斉合成への応用
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15F15411
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
赤井 周司 大阪大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (60192457)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KUNDU DHIMAN 大阪大学, 薬学研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2015-11-09 – 2018-03-31
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Keywords | 有機合成化学 / 不斉合成 / 触媒 / 動的光学分割 / ワンポット合成 / リパーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、加水分解酵素リパーゼと金属触媒を同時に使用し、リパーゼによる速度論的光学分割と金属触媒反応が1つのフラスコ内で同時進行する多段階ワンポット合成法の開発を目標とする。この際、金属触媒を無機担体の細孔内部に固定化することで、リパーゼと金属触媒の共存性向上を図る。また、この概念をラセミ体アルコールの動的光学分割に応用する。また、開発した固定化触媒を充填したフロー合成装置を構築し、光学活性体の連続製造法の開発を目指す。本年度は以下の成果を得た。 ① 研究代表者が最近作成した、細孔内径約4 nm のメソポーラスシリカの細孔内表面にオキソバナジウムを固定化したラセミ化触媒 V-MPS と加水分解酵素リパーゼを同時に用いる動的光学分割 (DKR) をラセミ体プロパルギルアルコールに適用した。オキソ金属種はプロパルギルアルコールと反応してMeyer-Schuster転位(プロパルギルアルコールの1,3-転位)を起こしてエノンを与えることがよく知られているが、上記DKRの反応条件を精査した結果、Meyer-Schuster転位が抑えられることがわかった。これによって、DKR生成物である光学活性エステルを収率良く与えることができた。現在、本法を種々のプロパルギルアルコールに適用し、一般化を検討している。 ② 細孔内部を修飾したメソポーラスシリカの作成、ならびにメソポーラスシリカの細孔内部に種々の金属触媒を固定化した新触媒の作成を鋭意検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究分担者のKundu Dhimanは昨年11月下旬に来日したので、今年度は4ヶ月しか研究期間がなかった。また、最初に、手慣らしのために手がけたラセミ体プロパルギルアルコールの動的光学分割(上記研究実績の概要①)において、オキソバナジウムによるMeyer-Schuster転位が反応条件を変えると抑えられることがわかった。その結果を受けて、反応条件の更なる改善に注力し、動的光学分割生成物の収率を大幅に改善することができた。この研究に予定以上の日数を費やしたため、②の検討が十分に出来ていない。現在、その遅れを取り戻すべく、鋭意努力している。
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Strategy for Future Research Activity |
予定通りに、細孔内部を修飾したメソポーラスシリカの作成、ならびにメソポーラスシリカの細孔内部に種々の金属触媒を固定化した新触媒の作成を推進する。また、調製した固体触媒を固体NMR, ICP, BETなどを用いて分析し、触媒中の金属含有量や結合状態を解明する。その後、これらの触媒をリパーゼ触媒動的光学分割に適用する。
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