2016 Fiscal Year Annual Research Report
Catalytic asymmetric synthesis of leptolyngbyolide C, a marine macrolide
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15F15412
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Research Institution | Microbial Chemistry Research Foundation |
Principal Investigator |
柴崎 正勝 公益財団法人微生物化学研究会, 微生物化学研究所, 所長 (30112767)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CUI JIN 公益財団法人微生物化学研究会, 微生物化学研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2015-10-09 – 2018-03-31
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Keywords | 触媒的不斉反応 / 全合成 / 海洋マクロライド / 細胞毒性 |
Outline of Annual Research Achievements |
27年度中に既にleptolyngbyolideと構造的特徴を一部共有する海洋天然物scytophycin Cの北倍的不斉形式全合成を完成し,学術誌上で論文として発表している.今回は前年度の成果に基づきleptolyngbyolide Cの触媒的不斉全合成について検討を継続の上これを達成し,未決定であった立体絶対配置を決定した.全合成においてはほぼ同等の構造上の複雑さをもつ2種のセグメントの触媒的不斉合成を行った後,これらを向山アルドール反応で結合,更に山口マクロラクトン化を行う戦略とした.セグメントの合成においては受け入れ研究機関で開発された,キラルなソフトルイス酸とハードなブレンステッド塩基を組み合わせた触媒を用いたダイレクト型チオアミドアルドール反応を基軸とし,合成初期の段階で鍵となる立体化学の制御を行った.本反応はα位水素の酸性度が高いアルデヒド存在下,酢酸もしくはプロピオン酸由来のチオアミドを選択的に活性化しエノラートを形成させ,更に単純な構造の基質では極めて高いジアステレオ選択性,およびエナンチオ選択性を発現するものであった.天然物合成において今回利用したアルデヒドはより複雑な構造を有するものであったが,細部にわたる条件最適化により既報とそん色ない選択性を得ることが出来た.生じた立体化学を足掛かりに残りの不斉点も構築し,効率よくセグメント合成が達成された.途上,Krischeのアリル化,YadavのDHP環構築,および交差メタセシス反応等を重要な工程としている. また,各種スペクトルデータと比旋光度の比較から,単離段階でのNMR解析等だけでは決定できなかったすべての立体化学を決定した.成果は既に論文投稿を終えており,平成29年度中に公開予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の目的としたleptolyngbyolide Cの触媒的不斉全合成を達成し,その絶対立体配置を決定することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
さらにより複雑な構造を有するleptolyngbyolide類の合成に着手済みであり,鍵工程となる触媒的不斉ダイレクト型チオアミドアルドール反応でこれまで利用することのできなかったチオアミド側の基質に対する適用範囲を拡大すべく検討を重ねている.既に望む結果が得られつつある.
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Research Products
(5 results)