2016 Fiscal Year Annual Research Report
複素射影平面上の直線配置と絡み目のミルナー不変量の研究
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15F15732
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
田中 心 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (70448950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GUERVILLE BENOIT 東京学芸大学, 教育学部, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2015-10-09 – 2018-03-31
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Keywords | 平面配置 / 複素射影平面 / ザリスキー対 / 絡み目不変量 |
Outline of Annual Research Achievements |
外国人研究者のゲルビール氏の専門分野は,複素射影平面CP2内の直線配置である.ここで,CP2内の直線とは,CP2内の球面Sで(CP2,S )と(CP2,CP2)が対で同相となるものであり,直線配置とは,有限個の直線の集合の事である.ゲルビール氏は直線配置Aに対し,(CP2,A)の対の同相写像における同値類(位相型)の研究に特に関心をもってこれまでの研究を行ってきた.一方,研究代表者の専門分野は,絡み目の研究(3次元球面内の有限個の閉曲線の集合の配置の問題)で,特に絡み目の不変量に関してこれまでに多くの成果を挙げてきた.本研究では,絡み目の不変量のアイデアを複素射影平面CP2内の直線配置の研究に応用して,直線配置の位相型を区別する新たな不変量を発見する事を目的とする.本年度は,主に次に挙げる研究成果が得られた.これらの成果は,絡み目の不変量を応用した不変量を用いる事で得られた. (1)k-Artal配置(k=3,4,5,6)に関するザリスキー対の存在を示した. (2)今まで知られていなかった,直線配置のザリスキー対を新たに10組構成した. (3)アメリカのノースイースタン大学のAlexandru I. Suciu教授の挙げた問題に否定的な解答を与えた. これらの成果に関連して,国内で4回(高知,神戸,仙台,札幌),海外で1回(フランス・アンジェ)の招待講演を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多くの研究成果が得られており,順調に進展していると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
複素射影平面内の直線配置の位相型は,補空間の基本群では定まらないという事の証明を試みる.
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Research Products
(7 results)