2015 Fiscal Year Annual Research Report
有孔虫の選択的細胞質融合、生殖的隔離、遺伝的変異から考える原生生物の種
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15F15781
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
北里 洋 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 東日本海洋生態系変動解析プロジェクトチーム, プロジェクト長 (00115445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WEINER AGNES 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 東日本海洋生態系変動解析プロジェクトチーム, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2015-11-09 – 2018-03-31
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Keywords | 有孔虫 / 選択的細胞質融合 / 生殖的隔離 / 遺伝的変異 / 地理的隔離 / 生物地理 / 原生生物 / 種 |
Outline of Annual Research Achievements |
交配時に選択的細胞質融合を行って有性生殖する底生有孔虫(Patellina corrugata など)を例に、原生生物における種の概念を明らかにすることを目的とする。そのために、異なった個体群間の後輩実験と遺伝子解析を行い、交配可能性と遺伝子配列とその機能という視点から検討する。 1. 各地の岩礁地から試料を採集した。神奈川県三浦半島~江ノ島、静岡県下田市鍋田湾の、計10カ所から石灰藻試料を採集し、有孔虫を拾い出した。Patellina corrugata, Spirillina vivipara に注目して、拾い出したが、前者は数が少ない場所が多かった。拾い出した個体の半分は遺伝子解析を行った。対象とした種はいずれも個体ごとに遺伝子配列が異なっていることが予察的な研究からわかったので、解析は1個体ごとに行った。いわゆるsingle cell genomics を行った。そのために、有孔虫に特異的なプライマーを検討した。 2. 無性生殖世代は、有性生殖を行い、倍数体になるので、交配可能性を検討可能である。1.で採集したPatellina corrugata, Spirillina vivipara について交配実験を試みた。一部、有性生殖を行って、次の世代に進んだが、多くは、交配には至らなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
有性生殖を行う有孔虫グループを例として、原生生物の種について理解することを目的として研究を行っている。初年度は半年しかないこともあり、すでに研究が行われている、三浦半島および伊豆半島の岩礁地から、石灰藻類を採集し、それに伴って生きている有孔虫を採集した。 それらの地域個体群について、個体ごとの遺伝子解析を行って、群集レベルでの遺伝子多様性を検討するとともに、飼育実験も行った。目的とするグループは、半数体個体が細胞質融合をして、倍数体になる、有性生殖を行うことから、細胞質融合を行った個体は、同一種である可能性がある。一箇所で100個体を目標として遺伝子解析を行い、データベースを作る体制は確立した。 また、交配実験については、えさ、温度、塩分などの飼育条件の検討を進めた。長期間、飼育可能な培養条件を見出し、交配実験を行うめどが立った。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度も引き続き、地域個体群ごとの遺伝的な多様性の解析を進めて、データベースを充実させる。また、同じ場所、および異なった場所の個体を用いた交配実験を試み、生殖的隔離の有無を明らかにするとともに、ペアリングしたものの世代交代には至らなかった個体の遺伝子解析を行い、遺伝子配列の差異を検討することにしている。 研究対象としているPatellina corrugata, Spirillina vivipara はいずれも数が少ない種類であることから、岩礁地生有孔虫の優先種である、Planoglabratella opercularis の仲間を対象グループに加え、さらに検討を続ける予定である。 平成27年度の研究代表者(北里)は、東京海洋大学に転出したため、北里のもとで、学位論文の研究を行った土屋が新たな代表者となり、研究を継続することにした。土屋は、Planograbratella opercularis の種を、 遺伝子、形態、そして交配実験を駆使して、解析した経験があるので、新たなる代表者としてふさわしい。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Nomenclature for the Nameless: a proposal for an integrative Molecular taxonomy of Cryptic Diversity Exemplified by Planktonic Foraminifera2016
Author(s)
R.M. Morard, G. Escarguel, A. K.M. Weiner, A. Andre, C.J. Douady, C. M. Wade, K. Darling, Y. Ujiie, H.A. Seears, and F. Quillevere T.de Garidel,- Thoron, C. de Vargas and M. Kucera
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Journal Title
Systematic Biology
Volume: 10
Pages: 1-31
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research