2006 Fiscal Year Annual Research Report
マルチエージェント・シミュレータによる社会秩序変動の研究
Project/Area Number |
15GS0102
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山影 進 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (10115959)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井庭 崇 慶應義塾大学, 総合政策学部, 専任講師 (40348371)
田村 誠 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助手 (10376585)
保城 広至 東京大学, 東洋文化研究所, 助手 (00401266)
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Keywords | 国際秩序 / 社会制度 / シミュレーション技法 / エージェント / 人工社会 |
Research Abstract |
1.マルチエージェント・シミュレータの開発・提供 初年度より構造計画研究所に委託して開発してきたマルチエージェント・シミュレータが、昨年度末にversion3として一応の汎用化に成功したのを受けて、フィールド・テストを終了するとともに、このシミュレータをartisoc(人工社会:ARTI-ficial SOC-ietyからの造語)と名付けた。今年度は、artisocにインターフェイス機能を追加する方向で開発を構造計画研究所に委託し、協議を重ねながら年度末に予定通りversion4が完成した。これにより、コンピュータ・エージェントと人間(ヒューマン・エージェント)とが相互作用するマルチエージェント・シミュレーションのモデル構築が可能になった。 また、artisocを用いたマルチエージェント・シミュレーション技法に関して、学部後期・大学院生を対象とした入門実習(夏学期)と中上級実習(冬学期)を提供した。また、学術集会などの機会に、東京、京都、神戸、札幌などでプログラミング知識が不要なシミュレータとしてartisocの紹介を行いチュートリアルを実施した。 なおこの間、artisocに準拠しながらマルチエージェント・シミュレーションの技法を教授する解説書を半年以上の期間を費やして作成し、19年1月に『人工社会構築指南』と題して発表した。同時にCD-ROMによりソフトウェアを提供することにした。 2.マルチエージェント・シミュレータを用いた研究 研究代表者と学術研究支援員たちは、artisocを使って国際関係のモデル化を試みた。中間成果の一部は日本国際政治学会の研究大会におけるマルチエージェント・シミュレーションをテーマとする分科会で発表した。version4で搭載された新機能について、その試行的モデル構築に着手した。研究分担者の井庭は独自に開発しているPlatBoxを用いての研究を進めた。 なお、以上のような多様な実績については山影研究室ウェブサイト上に置かれている本共同研究のページ(http://citrus.c.u-tokyo.ac.jp/mas/index.htm)で公開している。
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