2005 Fiscal Year Annual Research Report
ミューオン物理学の新展開を狙うスーパー・ミューオン・ビームの研究
Project/Area Number |
15GS0211
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
久野 良孝 大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (30170020)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
能町 正治 大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (90208299)
中野 貴志 大阪大学, 核物理研究センター, 教授 (80212091)
青木 正治 大阪大学, 大学院理学研究科, 助教授 (80290849)
菅谷 頼仁 大阪大学, 大学院理学研究科, 助手 (80324747)
大木 俊征 大阪大学, 大学院理学研究科, 助手 (60415049)
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Keywords | PRISM / FFAG / 厚板 / α線 / 高輝度化 / 単粒子トラッキング / 位相空間回転 / ミューオン |
Research Abstract |
ミューオン・ビームの高輝度化に必要な位相空間回転リングを製作している。これに必要なFFAG電磁石のコイルを昨年からの残数をすべて製造し終えた。また、本年度は、そのFFAG電磁石3台を製造した。 当初、鍛工品の鉄材から一体で削りだして磁極を製造する方法を検討していたが、削りだし量が多いためにコストの上昇をまねいていた事が判明した。また、中国市場での鉄需要の逼迫の影響を受けて、鉄材の入手が極めて困難であり価格も上昇していることが判明した。そこで、厚板を張り合わせて磁極を製造する方法を検討した。厚板の合わせ面の精度がFFAG磁場分布やリングのアクセプタンスなどへ与える影響を数値計算で評価し、本製法に問題が無いことを確認した。厚板張り合わせの製法により大幅なコストダウンを実現し、これを東芝(株)にて製造した。 完成した電磁石の磁場測定を行うため、高エネルギー加速器研究機構に磁場測定のためのシステムを構築した。1台目の電磁石の磁場の測定を開始した。1台目はリング直線部分まで含めた3次元磁場マップを取得し、次年度にTOSCA3次元磁場計算プログラムによる計算磁場との高精度での比較検討を行う予定である。また2台目と3台目については、メディアン平面のみの磁場測定とし、次年度に1、2、3台間での磁場分布のばらつきを定量化する計画である。 α線を使用したリング性能の評価方法を検討した。高精度スペクトロメータ電磁石の性能評価などで使われてきた単一粒子トラッキングの技術を応用する事により、今までにない切り口から高い精度でのリング性能評価を行える可能性がある。また、リングの一部分のみであってもある程度のリング性能の評価を行える可能性を検討した。
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Research Products
(1 results)