2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15GS0216
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山下 正廣 東北大学, 大学院理学研究科, 教授 (60167707)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉浦 健一 首都大学東京, 都市教養学部, 教授 (60252714)
宮坂 等 首都大学東京, 都市教養学部, 助手 (50332937)
岡本 博 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (40201991)
米満 賢治 自然科学研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (60270823)
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Keywords | 非線形光学材料 / 強相関電子系 / スピンコート法 / 高速光通信 / 一次元金属錯体 |
Research Abstract |
インターネットをはじめとる最近の情報通信網の急速な発展のなかで、特に、次世代型の超高速光通信や大容量高速光記憶等を実現するための新しい光機能性材料の開拓が望まれている。その、光機能材料の中心的役割を担うのが三次の非線形光学材料である。これまでニッケル錯体の三次非線形光学効果は、単結晶を用いた電場変調分光法による評価しか行われてこなかった。本研究では単結晶を用いた反射配置でのχ^<(3)>の測定手法を世界に先駆けて確立し、応用上重要な光の周波数領域での三次非線形光学効果をエネルギー依存性を含めて評価することに成功した。その結果、ニッケル錯体においてχ^<(3)>の大きさが10^<-8>esuを超える極めて大きな値であることが明らかになった。この結果の学術的、産業的インパクトは極めて大きい。また、光デバイスへの応用を視野に入れた場合、透過法による光学非線形性による評価が不可欠であるが、これまでにニッケル錯体の配位子に長鎖アルキル基を導入した錯体のスピンコート法により良質の薄膜を得ることに成功した。それを用いた吸収スペクトルは単結晶を用いた反射スペクトルのものと一致しており、さらに大きな三次非線形光学効果も得られた。これを用いることにより非線形材料や高速光通信などへの応用へ向けての可能性が大きくなった。さらにパラジュウム錯体の薄膜を得ることにも成功しており、光誘起絶縁体-金属転移を用いた光スイッチングや二光子吸収を用いた光スイッチングへの展開が期待される。
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Research Products
(6 results)