2004 Fiscal Year Annual Research Report
誘導加速シンクロトロンの実証研究:スーパーバンチ加速と応用
Project/Area Number |
15GS0217
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
高山 健 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 教授 (20163321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和気 正芳 大学共同利用機関法人, 高エネルギー加速器研究機構・低温工学センター, 助教授 (90100916)
山根 功 大学共同利用機関法人, 高エネルギー加速器研究機構・加速器研究施設, 名誉教授 (50013769)
作田 誠 岡山大学, 理学部・物理学科, 教授 (40178596)
堀岡 一彦 東京工業大学, 大学院・理工学研究科・創造エネルギー, 教授 (10126328)
中村 英滋 大学共同利用機関法人, 高エネルギー加速器研究機構・加速器研究施設, 助手 (70311131)
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Keywords | 誘導加速 / シンクロトロン / スイッチング電源 / 誘導加速セル / スーパーバンチ / デジタル制御 / 高周波 / トランジションエネルギー |
Research Abstract |
今年度は5年計画の二年目に当たる。誘導加速シンクロトロンの実証試験に必要なデバイス(誘導加速セル、スイッチング電源)の一部が完成したので、動作試験を行なった後、KEK12GeV-PSに導入し、実証試験ステップ1を行なった。 (1)昨年度製作した2.5kV出力の誘導加速システム(DC充電器、スイッチング電源、伝送線、マッチング抵抗、誘導加速セル)3セット分を組上げ・地上での総合試験を行なった。8時間の連続運転を3回行ない、システムの安定動作を確認した。又、充電電圧・誘導加速電圧、マッチング抵抗を流れる電流値の校正を行い、実際のビーム加速試験時に用いる基礎データを取得した。 (2)前年度から続けている50kW高圧モジュレーターR&D3号機の特性試験を行なった。スイッチング素子として使用しているMOSFETの直列構成に伴うゲートturn-on時のソース・ドレイン間電圧のアンバランスによる動作不具合の対策としてゲート駆動電源部のDC-DCコンバーターの持つ絶縁容量の絶対値の大きさを下げる必要性を見出されていた。究極の低絶縁容量と言える3pFのDC-DCコンバーターを手作りしてR&D3号旗に組み込み試験を行なった結果、予想通り電圧アンバランスの解消が証明された。 (3)誘導加速セルのビームローディングを検証するために、KEK-PSにインストールした装置を使って、通過するビーム長を様々に変えてビーム励起の誘導電圧を測定した。得られた結果と理論との比較から加速セルの等価的インダクタンス、容量、抵抗値を求めた。 (4)誘導加速装置を全てをデジタル信号で制御するシステムが構築された。 (5)10月より既存高周波によって捕捉された陽子ビームの誘導加速試験を行い、入射エネルギー500MeVから取り出しエネルギー8GeVまで誘導加速する事に世界で初めて成功した。これに続けて、入射エネルギー域にて、誘導加速セルで発生させるステップバリアー電圧だけで陽子ビームを捕捉する事にも成功した。年が明けて、トランジションエネルギー近傍では全ての閉じ込め電圧をオフにするFocusing-free Transition Crossing(FFTC)の実験にもほぼ成功した。 (6)米国ブルックヘブン研究所のRHIC加速器のトランジションエネルギー通過にKEKで提案実証されつつあるFFTCを導入するに当たって、計算機シミュレーションによるスタディーを開始した。
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Research Products
(4 results)